JR東海「早期の完成を目指す方針に変わりはない」 株主総会でリニア開業時期めぐり質問相次ぐ

メ~テレ(名古屋テレビ)

JR東海は株主総会を開き、2027年の開業を断念したリニア中央新幹線について「新たな開業時期は見通せない」と説明しました。

Q.株主総会で聞きたいことは? 「リニアの未来ですね。開業が先延ばしされるのは、とても残念なこと」(株主) リニア開業2027年断念の発表がされてから、初めての株主総会。 経営陣は、株主にどのように説明するのでしょうか。 品川から名古屋を最速40分で結ぶ、リニア中央新幹線。 この1年でリニアをめぐる環境は、大きく変わりました。 「残念ながら、品川・名古屋間の2027年の開業は実現しないと。実現できないと考えている」(JR東海 丹羽俊介社長) 今年3月、静岡工区の着工の遅れを理由にJR東海は、2027年の開業断念を表明しました。

今年4月には、静岡県知事が突然辞任

その翌月には── 「この職を辞そうと思っています」(静岡県・川勝平太前知事) 静岡工区の着工を認めなかった川勝前知事が、突然辞任しました。

株主から質問が相次ぐ

そうして迎えた、21日の株主総会。 Q.株主総会で聞きたいことは? 「静岡県知事が変わって、ようやくここから。進捗や計画について、どう考えているのか」(株主) 「静岡県知事のことがあって、工事が遅れ気味だったので。どのように巻き返していくのか注目したい」(株主) リニア計画の進捗状況について、株主から質問が相次ぎました。

「新たな開業時期は見通せない」と説明

リニア担当の宇野護副社長は、2027年の開業を断念したことを株主に報告。 「静岡工区は着手の見込みが立っていないので、新たな開業時期を見通すことはできない」と説明しました。 当初の開業時期である2027年を超える工期が設定されるなど、工事の遅れが指摘される中、「早期の完成を目指し、全力で取り組む方針に変わりはない」としました。

「強い思いを感じた」

総会で丹羽俊介社長は、静岡県の鈴木康友知事との会談などを受けて「強い思いを感じた」と振り返り、引き続き地域の理解が得られるようコミュニケーションを取り、真摯に取り組むと語りました。 5月に明らかになった岐阜県瑞浪市の水位低下については、代替水源の確保などの対応を説明し、専門家と相談しながら対応するとしました。

総会を終えて…

総会を終えて、株主は── 「リニアが今の課題だから。それに関して新しい話が出るかなと期待して来た。2027年に無理だとしても、何年遅れたら実現するのか。目標がこれぐらいとか、そういう返事が聞ければよかった」(株主) 「未発注の工事もあって、なかなか難しい部分もあるみたいだが、早期開業してほしいと思っている」(株主) 総会では、取締役12人の選任などの3議案がすべて可決されました。

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