【宝塚記念/追い切り診断】想定2桁オッズの伏兵に“高評価” 完成形迎え、「ドウデュースを逆転するのはこの馬か」

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第65回宝塚記念(16日/GI、京都芝2200m)には、春秋グランプリ制覇を目指すドウデュース、春の盾を制したジャスティンパレス、大阪杯勝ちのベラジオオペラらが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「ルージュエヴァイユ」を取り上げる。

◆【宝塚記念2024予想/追い切り診断】最高評価「S」はジャスティンパレスかドウデュースか 目覚ましい充実ぶりで「抜群の攻め気配」

■ルージュエヴァイユ

【中間調整】昨年4歳シーズンに本格化を果たし、秋は府中牝馬Sでハナ差2着、エリザベス女王杯で0秒1差2着という走りを見せた。今季初戦、エリザベス女王杯と同じ京都芝2200mの京都記念は不可解な8着に終わるも、そこから中6週の大阪杯では勝ち馬のベラジオオペラにタイム差なしの3着と一線級牡馬相手に健闘を果たしている。

その後、エリザベス女王杯と同じ京都芝2200mの宝塚記念へ進むのは既定路線。休養を挟んで5月24日に美浦へ戻り、調整が進んでいる。帰厩そうそうの26日に坂路2F26秒5(馬なり)と終いをしっかり伸ばせたあたり、牧場での調整は相当順調だったようだ。2週前のウッド単走で5F65秒0-1F10秒8(強め)とハイレベルな時計をマーク。そして1週前追いではウッド5F64秒4-1F10秒8(一杯)と2週前より外を回しながらの猛時計を出し、3頭併せで最先着。以前はあったモタれる面を見せなかったのは好感。

【最終追い切り】レース当週は坂路で併せ馬。1週前に猛時計を出しており、輸送を控える今週は調整程度となった。1勝クラスを目標に楽な手応えを保ったままスムーズにギアを上げ、まったくの自然体で抜け出し1馬身の先着を果たしている。この日も好バランスで走れており、心身充実ぶりは顕著。

【見解】この馬も常に攻めはよく見せるタイプだが、牧場でのリフレッシュと事前準備がよほど順調だったのか、この中間は攻めを数段階強化。以前は蹄に弱さを抱えていたのがウソのような充実の調整をこなしている。モタれる悪癖も見せず、まさに目下完成形を迎えた感。雨馬場がどうかだが、名手・川田騎手は鬼に金棒と言えるし、ドウデュースを逆転するとすればこの馬か。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「 競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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