音声合成キャラ「琴葉茜」権利元、ガイドライン遵守を再度通達 ファンの間で“政治利用”に懸念の声際立つ

音声合成ソフトウエア「A.I.VOICE」向けライブラリを展開する「琴葉 茜・葵」

音声合成ソフトウェアの開発販売を行う株式会社エーアイは21日、公式サイトやSNSを通じて同社の公式キャラクター「琴葉茜・葵」に関するお知らせを公表。ガイドライン遵守と社内での対応について説明した。

【画像】株式会社エーアイ(東証グロース)発表「「琴葉茜・葵」に関するお問い合わせにつきまして」

エーアイはこの日、「『琴葉茜・葵』に関するお問い合わせにつきまして」とのお知らせを発表し、キャラクター「琴葉茜」に関して多くの問い合わせをユーザーから受領していることを報告。多くはキャラクターへの使用に関する内容だとして、同社の定める「キャラクター使用ガイドライン」を遵守するよう伝えた。

続けて、問い合わせにて受領した内容については適宜調査を行い、キャラクター使用ガイドラインに則りながら、同社の裁量により厳正に対処していく姿勢を示した。また、判断基準や 個々の使用方法のガイドライン違反該当性についてお問い合わせ頂いても、「個別に回答はいたしかねます」として、理解を求めている。

「琴葉茜」ならびに「琴葉葵」をめぐっては、近年YouTubeなどの動画共有サイト上で音声合成ライブラリを活用したバラエティに富む「解説動画」が人気を博している。その一方、政治的な事象を取り扱う動画にも用いられている現状にあり、一部には必要以上に扇情的な内容を含むことから、ファンの間では懸念の声が寄せられている。

また、先日に「琴葉茜」に酷似したキャラクターを自身のアイコンに用いるアカウントが東京都知事選挙(7月7日投開票予定)へ立候補すると表明したことを契機に、政治利用への是非を含むキャラクター利用のあり方に疑問を抱く意見が一層多く投稿されることとなっていた。

なお、今月4月にも同様の発表を行っており、本発表でらこれを再度強調する格好となっていた。エーアイは「当社及び当社キャラクターは、特定の思想や特定の出来事への賛否、及び政治信条等には、一切関知するものではございません」ともコメントしており、適切な利用が求められている。

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