三菱自水島 12%増26.8万台 23年度生産台数、新型軽けん引

投入効果が続くデリカミニ

 三菱自動車(東京)は水島製作所(倉敷市水島海岸通)の2023年度生産台数をまとめた。前年度比12.9%増の26万8415台で2年連続の増加。5月に発売した新型軽の「デリカミニ」がけん引し、国内向けは新型コロナウイルス禍前の水準まで戻った。

 デリカミニは人気ブランド「デリカ」シリーズで初の軽タイプとして登場。外観デザインと悪路での走行性能に加え、愛らしいキャラクターをテレビCMに起用するなどイメージ戦略が奏功し、今年2月末までに累計3万台を突破した。

 車種別では、デリカミニに代表される軽自動車が21万5488台と、前年度比15.2%増。日産自動車(横浜市)と共同企画した電気自動車(EV)「eKクロスEV」(日産名サクラ)、旧モデルを大幅改良した商用EV「ミニキャブEV」も寄与した。

 普通車は5万2927台で、前年度比4.5%増。同製作所で唯一製造する小型スポーツタイプ多目的車「RVR」が北米市場で根強い人気を誇った。

 出荷先の内訳は、国内向けが21万6687台(15.2%増)。4年ぶりに20万台を超え、コロナ禍前の19年度(21万6879台)と同水準まで回復した。一方、輸出は5万1728台。前年度より4.2%増えたものの、RVRの改良モデル投入効果などで11万台を超えた18、19年度の半分以下にとどまる。

 同製作所の生産台数は18、19年度と2年続けて30万台を超えたが、20年度以降は半導体の供給不足などで苦戦が続いていた。24年度は23年度を上回る台数を目指すという。

 三菱自は「デリカミニは24年度に入っても好調が継続している。安定した生産を維持し、岡山県内に集積する部品メーカーの活性化につなげたい」とする。

水島製作所のライン。新型軽の好調などで2023年度の生産台数は2年連続で増加した

© 株式会社山陽新聞社