モリアオガエルの産卵

県内では、梅雨の雨のかかわりの深い生き物の姿を見ることができます。梅雨入り直前の今週18日。高島市朽木の森に出かけてみると、そこには、ソフトボールと同じくらいの大きさの、モリアオガエルの卵のかたまり、「卵塊」がたくさん見つかりました。カエルたちがどのように産むのか。それは夜、見ることができます。

午後8時を過ぎたころ、池の中から、次々と現れたモリアオガエルたち。地域によっては、生息地が天然記念物に指定されている希少なカエルです。オスたちは、「よいしょ!後ろからもぴょん!」っと木を上へ上へと懸命に登って行きます。目指すのは、メスの元。ここでは1匹のメスに5匹以上のオスがしがみついていました。そして、午前1時を過ぎたころ、産卵が始まりました。産卵が行われる場所は、必ず水の上。分泌される粘液の中にメスは、300から800個といわれる卵を産みます。こうしてでき上った「卵塊」。1週間ほどで孵化したオタマジャクシは、まさにこの時期に降る「梅雨の雨」で「卵塊」が溶けるのを待って真下の水に飛び込みます。梅雨は、生き物の命の営みにも深くかかわっているのです。

© びわ湖放送