「より一層強くなる藤井七冠が見られる」 八冠陥落の藤井聡太七冠に師匠の杉本八段 将棋・叡王戦

テレビ愛知

藤井七冠 同い年の伊藤七段に敗れる

藤井七冠:
「(失冠は)時間の問題だと思っていたので、あまり気にせず頑張っていきたい」

6月20日に行われた将棋の叡王戦五番勝負の第5局。瀬戸市出身の藤井聡太八冠が伊藤匠七段に敗れ、「叡王」のタイトルを失いました。

藤井八冠がタイトルを失うのは初めてで、八大タイトル全てを独占していた期間は254日でした。一方の伊藤七段は初めてのタイトル獲得です。

多くの将棋ファンがモニターで対局の行方を見守った、藤井七冠の地元、愛知県瀬戸市にある喫茶店では、勝敗が決まると…

店の前に用意された勝利を祝う、くす玉が割られることはありませんでした。

地元のファン:
「もう悔しいしか言葉に出ない。まさか陥落になるなんて、信じられない気持ちでいっぱい」

地元のファン:
「もう負けない。1回負けたらもう負けない。地元、瀬戸市から全力応援を続ける」

藤井七冠を応援する特別メニューを考えた喫茶店の店長も、悔しさをにじませました。

喫茶スマイル 鈴木松子店長:
「私の応援が足りなかったかな。またこれからもっともっと、いろんなメニュー考えてやっていきたいと思う」

対局を終えて藤井七冠と伊藤新叡王は

対局後、藤井七冠は…

藤井七冠:
「シリーズを通して、終盤のミスが結果につながってしまったのかなと思います。(伊藤新叡王の)強さを感じるところもありましたので、糧にしていきたい」

伊藤新叡王は藤井七冠と同い年で、互いに切磋琢磨してきました。会見では…

伊藤新叡王:
「藤井さんは中学生でプロになられて、そこからは藤井さんを目標にやっていたというところが大きいので、藤井さんに自分をここまでひきあげていただいたんだなと思います」

「より一層強くなる藤井七冠が見られる」 師匠の杉本八段

今回の対局について藤井七冠の師匠、杉本昌隆八段は…

杉本昌隆八段:
「終盤で藤井七冠らしからぬミスが出てしまった。そこを伊藤七段にとがめられた」

藤井七冠らしからぬミス。「八冠からの陥落」に対するプレッシャーがあったのでしょうか。

杉本昌隆八段:
「(プレッシャーは)ゼロに近いかな。タイトルを防衛したいという気持ちで指しているわけではない。藤井七冠が不調というよりも、伊藤新叡王が相手(に手)を間違えさせるほど粘り強かった」

今後の藤井七冠については…

杉本昌隆八段:
「(藤井七冠は)子どものころから、負けて悔しそうな顔をするのが印象的で、今回も負けて厳しい表情をしていましたよね。これはタイトルを失ったことよりも、ミスをして負けたことが大きな反省点(という表情)だったと思う。初めてタイトルを失った相手が、同い年の伊藤新叡王だったというのは運命。(2人が切磋琢磨していくことで)またこれでより一層強くなる藤井七冠が見られる」

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