ソースネクスト、対話型ゴルフAIデバイス「Birdie Talk」を発売開始ゴルフのラウンド中、プレイヤーの質問にAIが音声でアドバイス

by 戸津 弘貴

【Birdie Talk(バーディ・トーク)】

発売日:6月20日16時 (Makuakeにて先行販売)

価格:39,600円

ソースネクストは、対話型ゴルフAIデバイス「Birdie Talk(バーディ・トーク)」を6月20日16時より応援購入サービスサイト「Makuake」にて発売した。最大40%の割引で購入できる特典が用意され、製品の発送は8月末を予定。価格は39,600円で、月額利用料は0円。初年度販売目標を3万台としている。

「Birdie Talk」は、ゴルフのラウンド中に音声で質問すると、状況に応じた打ち方などのアドバイス、不調の対策、ルールなどを音声で回答してくれる対話型ゴルフAIデバイス。販売開始の前日にメディア向けの製品発表会が実施されたので、本稿では商品の概要などについてお伝えしていく。

製品スペック

  • 本体サイズ:高さ33mm×幅60mm×厚さ18mm
  • 本体重量:30g
  • 防塵、防水性能:IP55
  • 電池:リチウムイオン電池
  • 動作保証温度:-20℃〜45℃ 結露しない範囲の湿度での使用を推奨
  • 充電ケーブル:USB Type-C
  • アプリ動作環境:iOS16以上、Android OS 29以上
画僧はMakuake「Birdie Talk」のプロジェクトページより

ラウンド中に対話をしながらアドバイスが聞けるAIキャディ誕生

「Birdie Talk」は、帽子やサンバイザーのツバに装着し、スマートフォンと連携して使用する。デバイスには、ASKボタンとSHOTボタンの2つが備わっており、ASKボタンを押しながら質問すると、AIがアドバイスを音声で回答。SHOTボタンを押しながら、使用したクラブ、打球結果を音声で入力するだけで、番手ごとの飛距離やミスの傾向を分析し、専用アプリで確認できるとしている。その他、今自分がいる位置からグリーンセンターまでの距離を、スマートフォンのGPSデータを参照し回答してくれるなどプレイに必要な情報の確認が行なえ、AIによるキャディのように振る舞うことが期待されている。

デバイスそのものは、ボタンが2つとマイク、スピーカーが備わっているだけで、スマートフォン単体のアプリでも実現できるものだが、専用デバイスにすることでプレイ中でもシンプルな操作感を提供しプレイに集中できるようにしたという。将来的にはスマートフォンを介さず単体でも動作することも検討しているとのことだ。

デバイスは、Bluetoothによってスマートフォンと連携し、デバイスに吹き込まれた音声はスマートフォンアプリを介してクラウドに送られ、同社の音声認識技術にてテキスト化。Open AI社のGPT(3.5-turbo)を利用した自然言語処理技術を使用して東京大学ゴルフ部によって監修されたゴルフ理論データベースを参照に解析結果をフィードバックする仕組みとなっている。なお、詳細な仕組み、GPTの機能がどのように活用されるかなどに関しては公開できない旨が回答された。

ソースネクスト代表取締役社長 小嶋智彰氏。自ら「Birdie Talk」を装着した様子を披露してくれた。帽子のツバに装着するだけなのでプレイ中は邪魔になるといったことはなさそうだ
スマートフォンのGPS情報、アプリが保有するコースデータマップより、グリーンセンターまでの残り距離を測定。残りのヤード数などを的確に教えてくれるためクラブ選びの参考にできる

アドバイスは、難しい状況の際にどのように打てば良いかなどのほか、ダフってしまうといった不調を改善する方法、ルールで迷った時のアドバイスに対応。また、現時点で国内ゴルフ場の約99%のデータが入っており、アドバイス内容やコースデータ、ゴルフルールなどの最新情報は随時無料で更新される。

一度購入すればその後利用料などはかからない。「毎週、毎月、ラウンドに行くという人は少ないとおもうので、サブスクリプションではなく買い切りの価格設定にしました。使えば使うほどお得になるので、ぜひ活用してほしいと思います」とのことだ。

ラウンド中に疑問に思ったこと、困ったことがあれば質問することで解決してくれる。いちいち周りに聞かずとも自己解決できるのは嬉しい
毎回ボールを打った後に、利用クラブ・結果を声で入力することでクラブごとの正確な飛距離や結果を蓄積し、分析してくれる。結果はアプリから閲覧可能だ
なんとなく不調な時など相談してみると的確なアドバイスをくれる
アドバイス内容やコースデータなどは随時無料アップデート。利用料などはかからない

同社としては初のゴルフ市場への参入となり、3,000億円市場と言われるゴルフ市場に期待を滲ませる。ゴルフは、年齢や性別を問わず楽しめる生涯スポーツとして人気を集めており、国内でもプレイヤーが多い。一方で、新規に始めた人の7割が1年以内に辞めているデータもあり、さらにプレイヤーのなかで平均スコア100未満を達成する人は3割程度しかいないデータが示され、上達に限界を感じて辞めているのであれば、適切なアドバイスによって上達し、ラウンドが楽しめれば継続できるのではないか?と思ったのが開発のきっかけだという。

今後の開発としては、個人にカスタマイズしたアドバイスや、他社製品との連携、海外のコースデータ収録や外国語対応などを予定しているという。

「Birdie Talk」は、特に初心者にとっては便利なツールであるものの、一方でゴルフのルールには、プレイ中の他者からのアドバイスを受けてはいけないというものがあり、状況に際してどのクラブを選択してどのように打つかなどのアドバイスはルール違反となる可能性は高い。しかし、既知の情報、公開されているTipsをベースに一般的な内容をアドバイスとして得るのは違反とならないなど、利用に際してケースバイケースの判断が求められる課題も示された。その上で、競技会などでない、友人たちと楽しんでラウンドをする、上達のための練習というような場合に活用してもらえればとしている。

今回の発表会では、まだデバイスとして完成しておらず、実際の使用感などは確認できなかったが、ゴルフに興味がある方や上達に課題を感じて一度は辞めてしまった方など、気軽に始めたい、再開できるきっかけとなるようなデバイスと感じた。もちろん、さらなる上達を目指すプレイヤーにとってもとても魅力的な可能性を秘めた商品と言えそうだ。

発売後の展開や今後のアップデート、特にAIを活用した技術の活用がもたらす恩恵など、これからの関連する動向にもぜひ注目していきたい。

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