熊本県警の若手警察官たちが無線通話の技術を競う競技大会【熊本】

熊本県警の若手警察官たちが無線通話の技術を競う競技大会が先日、開かれました。声のやり取りで求められるのは想像力とテンポの良い話術。今年は46人の警察官が出場しました。

「通報内容 男がバールでガラスショーケースを割ろうとしています」

貴金属店にバールを持った強盗。時計を奪われたという想定は警察官たちにはもちろん知らされていません。現場で事情聴取を行いながら事件の概要をこまめに無線で報告します。

【無線やりとり】
「現場から西踏切北方へ逃走。マル被男性20代くらい バールを所持」

県警で最も地味な競技大会といわれる今年の無線通話技能競技会には、県内23警察署から若手と中堅のペア46人が出場。初動捜査の要、素早く的確な通信指令の技術を競います。

審査項目は多岐にわたり、テンポや歯切れの良さだけではなく、複数の情報を素早く組み立て、分かりやすく言葉にするセンスが問われます。

【無線やりとり】
「男性にあっては、腕時計10本、被害額1000万円相当を奪取」

制限時間は15分間。強盗事件の犯人を緊急配備の網にかけ検挙できるかを競いました。

【出場した警察官】
「私みたいな者は象徴的なフワッとした指令になってしまうので、今後はきちんと的確な指令ができるように精進したい」
「声の抑揚やトーンで大事さは伝わる。そういうのが出せるようになりたい」
通報段階で錯綜する情報を瞬時に整理し、現場での事件解決へと導く通信指令の『チカラ』。

今年3月、熊本市中央区で発生した刃物による殺人未遂事件では、混乱する通報の中、迅速な無線指令が功を奏し、逃走していた犯人を現場近くで素早く逮捕することができたといいます。

県警は今後も、若手警察官の『実況力』と『通話技術』の向上を図りたいとしています。

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