横須賀南高校「みなみまな部」 ボランティアが学習支援 「学びなおし」に力点 横須賀市

放課後に約1時間ほど学習会を開いている

県立横須賀南高校では、基礎学力の定着を目的とした学習支援として有志のボランティアが個別指導を行う「みなみまな部」と名付けた活動を行っている。

主にテスト前に不定期で実施しており、教員経験を持つ人を中心とした5人のボランティアが国語・英語・数学を校内の空き教室を使って教えている。

2020年に横須賀明光高校と大楠高校が統合して開校した同校。中学校時代に成績不振や不登校だった生徒などに教育機会の門戸を広げる「クリエイティブスクール」指定を受けていた大楠高の特色を同校普通科が引き継いでいる。しかし統合を機に今まで授業内で設けていた高校以前の学習範囲を勉強する時間が削減されたという。

これを受けて当時、大楠高で教壇に立っていたメンバーの高村泉さんが「学びなおし」の必要性を再認識。退職後に三浦学苑の非常勤講師となった後、学習会の設立に着手した。「学ぼうとする意欲のある生徒のためにも学習会の存在が必要だと感じた」と高村さんは振り返る。

「私も教える側に」

現在の参加者は1年生が中心。新年度はこれまでに2回実施され、各回40人ほどが学びの場を求めて参加した。時には生徒が講師を務めることも。数学を得意科目に挙げるある生徒は、普段から空き教室などを活用してクラスメイトに勉強を教えているという。それを見た教員が指導役を持ち掛けたところ、二つ返事で快諾。同部を通じた自主的な学習が広まっている。

気軽に寄れる場に

現在は、実施日時の周知や講師役などで教員とも連携を図り、活動を続けている。1年生の学年主任を務める林睦教諭は「勉強のことだけでなく、日常の悩みや進路相談など、生徒が気軽に立ち寄れる場にしていきたい」と話した。

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