台湾の女性監督が、自身の母をモデルに作り上げた心温まる理髪店の物語 「本日公休」公開決定

台湾のフー・ティエンユー監督の劇場長編第3作「本日公休」が、2024年9月20日より劇場公開されることが決まった。

「本日公休」で描かれるのは、台中にある昔ながらの理髪店の店主のアールイ(ルー・シャオフェン)の物語。40年にわたり店に立ち、常連客を相手にハサミの音を響かせてきたアールイ。女手ひとつで育て上げた3人の子どもたちは、すでにそれぞれの道を歩んでいて、実家の理髪店にはなかなか顔を見せない。頼りになるのは、近くで自動車修理店を営む、次女の別れた夫チュアン(フー・モンボー)だけだった。そんなある日、離れた町から通ってくれていた常連客の“先生”が病の床に伏したことを知ったアールイは、店に「本日公休」の札を掲げ、古びた愛車でその町に向かう。

監督を務めたのは、MV監督としても活躍するなど多彩な才能をもつ台湾のフー・ティエンユー。監督自身の母親をモデルに書き上げたシナリオを元に、台中の実家で実際に営んでいる理髪店で撮影を敢行し、3年の月日をかけて完成させた。全編を通じて柔らかなノスタルジーを感じさせながらも、家族間に波立つ感情や、“老い”を受け入れていく心情、新たな希望を見いだす道程を、現代的な視点を交えながら繊細に描き出した。

主人公のアールイ役には、1999年を最後に映画出演から遠ざかっていた、「客途秋恨」(アン・ホイ監督)などのルー・シャオフェン。24年ぶりに銀幕に復帰した。「こんな脚本をずっと待っていた」と出演を即決したシャオフェンは、約4カ月に渡りヘアカットの猛特訓を積み撮影に臨んだ。アールイ役で、台北電影奨主演女優賞、大阪アジアン映画祭の薬師真珠賞(俳優賞)を受賞した。アールイに反発的な次女リン役にファン・ジーヨウ、次女の元夫で心優しいチュアン役にフー・モンボーが顔をそろえるほか、チェン・ボーリン、リン・ボーホンが特別出演している。

【作品情報】
本日公休
2024年9月20日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
配給:ザジフィルムズ / オリオフィルムズ
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