阪神・西勇 2000投球回の節目、好投で飾った 偉業かみしめ「感謝しかない」

 2000投球回を達成し記念ボードを掲げる西勇(撮影・立川洋一郎)

 「阪神1-0DeNA」(21日、甲子園球場)

 ローテーションを長年守り続けてきた先発投手として、誉れの瞬間を迎えた。阪神・西勇が初回を投げ終えて、通算2000投球回を達成。史上94人目、球団11人目、現役では5人目となる金字塔を樹立した。「いろんな指導をしてもらって、結果その通りやったことが多々あるので、信じてきて良かった。ブレずに来て良かった。感謝しかないです」。拍手に包まれる甲子園で記念ボードを掲げて四方に頭を下げ、偉業をかみしめた。

 節目に王手をかけて上がったマウンドで、早速らしさを発揮した。初回1死一塁。オースティンを内角シュートで遊ゴロ併殺に仕留めて2000イニング目の投球を終わらせると、七回までスコアボードに0を並べ、自身18イニング連続無失点となった。

 オリックスから阪神へFA移籍。猛虎の一員として戦う中で、「僕が伝統を引き継ぐなんておこがましい」と胸に刻む。自身と同じ球歴を持つ星野伸之も、2000投球回達成投手。若手時代には「2000イニングいったら一流」とハッパをかけられた。「先が遠すぎてどんな数字なんやろうと思ってましたけど、順調にケガなく来られて、この数字なのかな」と重みを実感した。

 4勝目は逃したが、高いハードルをクリアした夜に残した114球の好投。安定感が評価され、託されたリーグ戦再開初戦で先発の責務をきっちり果たして、誇らしい勲章を手にした。

 ◆西勇がプロ通算2000投球回 プロ野球94人目で現役選手ではヤクルト・石川、中日・涌井、楽天・岸、ソフトバンク・和田に続く5人目の快挙となった。なお、阪神在籍時の投手では11人目。

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