エルデンリングDLCはどれだけ重い?エントリーからミドルレンジのGeForce RTXで速攻テストしてみた

by 芹澤 正芳

2024年6月21日に配信がスタートしたエルデンリングの有料DLC「SHADOW OF THE ERDTREE」。Steamでの価格は4,950円だ

2024年6月21日、エルデンリングの有料DLC「SHADOW OF THE ERDTREE」の配信がスタートした。大ヒットゲーム初のDLCということで、Steam版をプレイしていたユーザーにとっては描画負荷に変化がないか気になるところ。ここでは、エントリーからミドルレンジに位置する3種類のビデオカードを用意して早速フレームレートを測定した。これからエルデンリングをプレイしてみたいと思っている人の参考にもなるはずだ。

まずは、SHADOW OF THE ERDTREEをプレイするための条件に触れておこう。「星砕きのラダーン」と「血の君主モーグ」の撃破が必須だ。どちらも中盤以降に登場する大ボスなので、それなりにゲームを進行する必要ある点は知っておきたい。ミケラの足跡を追っていくというストーリーで、新たに10体以上のボスが登場する。広大なマップを探索する楽しさと強力なボスを撃破する達成感を再び味わえるのはうれしい限りだ。

テストに使うビデオカードとして以下の3種類を用意した。検証環境は記事の最後にまとめて掲載している。

  • GeForce RTX 4070 SUPER
  • GeForce RTX 4060
  • GeForce RTX 3050(8GB版)

このゲームにはベンチマークモードが用意されていないため、今回はSHADOW OF THE ERDTREEの序盤付近では描画負荷が高かった祝福「城砦正面」周辺の一定コースを60秒移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定した。

祝福「城砦正面」の周辺を移動した際のフレームレートを測定している

なお、このゲームのフレームレートは最大で60fpsまで。そのため、平均が60fpsに近ければ快適という判断になる。

品質設定とレイトレーシングの品質を両方プリセット最上位の「最高」した場合と品質設定は最高、レイトレーシングをオフにした場合の2パターンで測定した。自動描画調整はオフにしている

レイトレーシング“オン”の場合

まずはレイトレーシングを有効にした場合のグラフから見ていこう。

エルデンリング発売当初はレイトレーシング非対応だったので、あまり使ったことのない人もいるだろう。画質とレイトレーシングを両方「最高」にすると、描画負荷は強烈に高い(そのぶん光の反射は美しいが)。このゲームは、DLSSやFSRといったアップスケーラー系の機能がないのも描画負荷を高めている。

GeForce RTX 4070 SUPERでもフルHDで平均53fpsとプレイ可能なレベルにあるが、60fpsには届かない。快適にプレイするなら、レイトレーシングの設定をワンランク下げたほうがよいだろう。RTX 3050の4K(3,840×2,160ドット)はフレームレートが低すぎて、ゲームから警告が出てしまったため測定できなかった。

なお、ビデオメモリの使用量をRTX 4070 SUPERでチェックしたところフルHD(1,920×1,080ドット)で5.49GB、WQHD(2,560×1,440ドット)で5.88GB、4Kで7.37GBだった。

レイトレーシング“オフ”の場合

レイトレーシングをオフにすると描画負荷は一気に軽くなる。GeForce RTX 4070 SUPERなら4Kまで上限の60fpsでプレイ可能だ。フルHDなら、RTX 3050でも53.8fpsとプレイできるフレームレートが出ている。

ちなみに、画質設定を「高」に下げればRTX 3050でも平均60fpsに到達が可能だ。RTX 4060はその中間で、WQHD解像度まで快適にプレイできる。

また、ビデオメモリの使用量を同じくRTX 4070 SUPERで確認したが、フルHDで4.57GB、WQHDで4.9GB、4Kで6.26GBだった。

なお、レイトレーシングをオフにしたときのフレームレートは、以下の過去記事で測定したときとほぼ同じ傾向。DLCでも描画負荷は変わっていないと言ってよさそうだ。そのほかGPU使用時のフレームレートが気になった人は合わせてチェックしてほしい。

エルデンリング初の超大型DLC「SHADOW OF THE ERDTREE」だが、フルHDならRTX 3050でも十分楽しめる。RTX 4060ならWQHDまで、RTX 4070 SUPERなら4Kでも快適にプレイが可能。これからエルデンリングをプレイしたいと思って人の参考になれば幸いだ。


検証環境は以下の通りだ。CPUのパワーリミットはPL1=PL2=253Wに設定。ドライバは「Game Ready 555.99」を使用している。

【検証環境】

GPU1 : NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER Founders Edition
GPU2 : MSI GeForce RTX 4060 VENTUS 2X BLACK 8G OC
GPU3 : MSI GeForce RTX 3050 AERO ITX 8G
CPU : Core i9-14900K(24コア32スレッド)
マザーボード : ASRock Z790 Nova WiFi(Intel Z790)
メモリ : Micron Crucial DDR5 Pro CP2K16G56C46U5(PC5-44800 DDR5 SDRAM 16GB×2)
システムSSD : Western Digital WD_BLACK SN850 NVMe WDS200T1X0E-00AFY0(PCI Express 4.0 x4、2TB)
CPUクーラー : Corsair iCUE H150i RGB PRO XT(簡易水冷、36cmクラス)
電源 : Super Flower LEADEX V G130X 1000W(1,000W、80PLUS Gold)
OS : Windows 11 Pro(23H2)

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