子どもの「ひとり寝」のためにルーティンは絶対にやめちゃダメ!親の睡眠のためにも必要な“会話“と“対策”

いつから子どもをひとりで寝かせれば良いのか。そろそろひとりで寝てほしい…。

こんな悩みを持つ親は多いだろう。

乳幼児睡眠コンサルタントの愛波あやさんは「子どもがひとりで寝ることができると、親も質の良い睡眠がとれる」と話す。

小児科医、小児神経科医・熊本大学名誉教授の三池輝久さんが監修を務めた、愛波さんの著書『忙しくても能力がどんどん引き出される 子どものためのベスト睡眠』(KADOKAWA)から、子どもの「ひとり寝」のメリットとその際に大事にしたいことを一部抜粋・再編集して紹介する。

子どものひとり寝は親にもメリット

まだ「ひとり寝」ができない子は、小学校入学前後のタイミングでできるように促してもよいでしょう。

ひとり寝のメリットは、なんといっても親子ともぐっすり眠れること。

子どもは途中で音や光に邪魔をされず、一度眠りについたら朝まで眠ることができます。

また、小学校低学年のうちにひとりで眠れるようになると、高学年で行われる林間学校や修学旅行などの宿泊行事に焦る必要がなくなります。

そして、子どもが寝てくれることで親も質の良い睡眠をとれるようになります。

でも、いきなりひとりで眠る練習をするのは、これまで親の温もりを感じながら寝ていた子にとっては怖く、寂しいもの。

だからこそ小学校入学のためにランドセルを購入した時など、子ども自身が自分の成長を感じられるタイミングに合わせて「大きくなったからひとりで寝てみる?」と提案すると良いかもしれません。

しかし、それでも「怖い」と子どもが渋る場合もあるでしょう。そんな時に大事にしてほしいのが子どもとの会話です。

「ねんねルーティン」続けて

部屋が暗いから怖いのか、お化けが出るかもと考えてしまい怖いのか、会話の中で子どもが怖がる理由を探ってあげましょう。

暗いのが怖いのであれば足元にライトをつけるなど、子どもの不安に寄り添った具体的な対策をとってあげると、意外とスムーズにひとり寝ができるようになります。

そしてひとり寝の際に大事にしたいのは「ねんねルーティン」です。

これまでは親が寝る前に読み聞かせをしていたのに突然「もう小学生だし、ひとりで寝るんだから自分で読みなさいね」となってしまうご家庭を時々見かけますが、これではルーティンがなくなってしまいます。

小学生になったら音読の練習も兼ねて子どもが本を読むのをベッドで親も一緒に聞いてあげるなど、成長に合わせてルーティンを上手に変えてあげると、子どもも自然とひとりで眠れるようになります。

ルーティンでリズムができる

私が赤ちゃん期に大切にしているのが「ねんねルーティン」ですが、これは幼児期になっても大切だと感じています。

子どもは次になにが起きるかわかっていると安心します。そしてそのルーティンが当たり前のことになると、体もそのリズムで動くようになります。

ですから、夜寝る前の流れやルールがあると、子どもは「そろそろ寝る時間だな」と頭で理解して、体もその準備を始めるのです。

お風呂に入って、着替えてから、歯を磨いて寝る、という順番にしているのであれば、その流れをいつも繰り返すことがねんねルーティンになります。

また、毎晩読み聞かせをしているようであればそれでもいいですし、ぬいぐるみをベッドに並べることが寝る前の子どもの儀式なら、それを尊重するのもいいですね。

小学4、5年生のお子さんを持つ親御さんたちから「うちの子、実はまだひとりで寝られないんです」という悩み相談を受けることがあります。

林間学校などの宿泊イベントを前に、親も子どもも「ひとりで眠れないのにどうしよう…」と困ってしまうようです。

小学生になってひとり寝ができ、質の高い睡眠をとれるようになるためにも、幼児期にこそもう一度、睡眠のベースを整えてあげましょう。

著:愛波あや
慶応義塾大学文学部教育学専攻卒業。外資系企業勤務後、拠点をアメリカ・ニューヨークに移し、2014年に米国IPHI公認資格(国際認定資格)を日本人で初めて取得。現在、IPHI日本代表、Sleeping Smart Japan株式会社代表取締役。著書に『ママと赤ちゃんのぐっすり本』(講談社)、『マンガで読む ぐっすり眠る赤ちゃんの寝かせ方』(主婦の友社)がある。2児の母

監修:三池輝久
小児科医、小児神経科医。熊本大学病院長、日本小児神経学会理事長、兵庫県立リハビリテーション中央病院「子どものリハビリテーション睡眠・発達医療センター」センター長などを経て、現在は熊本大学名誉教授、日本眠育推進協議会理事長。著書に『赤ちゃんと体内時間 胎児期から始まる生活習慣病』『子どもの夜ふかし 脳への脅威』(ともに集英社)など

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