オリンピック直前!パリ在住・中村江里子が「エコを楽しみに変える」パリの生活術&取り組みを現地リポート

オリンピック開催を来月2024年7月に控え、聖火がマルセイユで15万人以上の人々に迎えられるなど、開幕へ向けて大きな盛り上がりを見せるフランス・パリ。
今回のパリ2024オリンピックでは環境への配慮を掲げていますが、現地では既に、エコな暮らしが市民の日々の生活に浸透ずみ。
街には「捨てない」「無駄にしない」工夫を楽しむ人々の姿があるんです。

そんなパリで25年間暮らす元フジテレビアナウンサーの中村江里子さんに、現地のエコな生活術や街ぐるみの取り組みについてリポートを依頼。
すると花の都の日常から、人生をより豊かにするヒントが見えてきました。

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必要な分だけ買える。マルシェ流のエコな買い物術

中村:
パリに来た当初は、慣れない環境に戸惑うことも多かったけれど、今では現地の習慣がすっかり身についてしまいました

妻として3人の子供の母として、フランス流の暮らしを楽しんできた中村さん。
日々の食材の買い出しには、マルシェ=フランスの市場をよく利用します。
この日、マルシェで中村さんが注文したのは…

中村:クラシックハムの厚めのものを2枚ください。
店員:これでどう?
中村:ちょうどいい!ありがとう!

マルシェでは、ハムやチーズを必要な分だけ購入することが可能。食べきれる量を買うことで、食品ロスを減らすことができるそうです。

また青果店でも、常連客である中村さんに店員さんは「これならソースに使えるよ」と、店頭には並んでいなかった傷みかけのトマトを紹介。通常の5分の1の値段で買うことができました。

中村:
自分も無駄にしていない気がしますし、使い切るって気持ちがいいんですよね。廃棄するって、ちょっと罪悪感もあるし。

またスーパーなどの小売店でも、食品ロス削減の取り組みが浸透していました。

閉店間際のスーパーやパン屋さんを取材すると、消費期限が迫った商品を詰め合わせた「福袋」を、定価から大幅な割引で販売。

安くしても売れ残ってしまう商品を、福袋形式でさらに安くまとめ売りすることで売り切り、食品廃棄ゼロを目指す仕組みです。

スーパーで福袋を手にした男性も満足げ。

パリ市民の男性:
安い値段でちょっと贅沢ができるし、普段手が出せないようなものも食べることができるんだ

この「福袋」システムの参加店舗はなんと、約4万2,000店舗。
専用のアプリから注文ができる、大規模な取り組みとなっています。

ファッション都市・パリが行う街ぐるみの洋服リサイクル ファッション都市・パリが行う街ぐるみの洋服リサイクル

大規模な取り組みは、衣類の分野でもありました。
パリの街中に置かれた、大きな緑色のボックス。

中村:
フランスの人だったらみんな知っているボックスなんですけど。 これ多分、日本にはないと思うんですよ

市内の300カ所以上に設置されているその正体は…
不要になった衣類を回収するボックス。

パリ市と民間の業者がゴミを減らす為、共同で設置したもので、いらなくなった洋服、カバン、靴などを入れることができます。

中村:
私もこれよく使っているんですけど、 例えば小さくなっちゃったりした靴って誰かに譲れるじゃないですか。
でもちょっと裏が外れてしまったとか、生地が壊れてしまったとか そういう靴はここに入れにきたり

集められた衣服はパリ郊外にある施設に集められ、
①お店で売れるもの、②海外に寄付するもの、③繊維などにリサイクルするもの、④燃料にするもの
の4種類に選別。

このシステムにより、年間およそ5000トンもの衣類が再利用されるということです。

他にもパリでは、シェアサイクルが広がりを見せ、道路の半分を自転車専用レーンにする動きが加速。

また市内各所に誰でも生ゴミを持ち込めるコンポストが設置されていて、2024年からはフランスの全自治体で生ゴミの分別が義務化されるなど、様々なエコの取り組みが生活で拡大中。

オリンピックを機に、脱炭素社会への意識はますます高まっているそうです。

中村:
日々の気づきを形にしていく。自分ができることを楽しんでやるというのが、フランスの方達はよく知っているのかな

エコを楽しみながら、地球にも自分にも優しい暮らしにつなげていく。
そんなパリ市民の姿が、中村さんの現地リポートから見えてきました。

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