貿易摩擦の責任はEUにある 中国商務部

貿易摩擦の責任はEUにある 中国商務部

中国商務部。(北京=新華社記者/李賀)

 【新華社北京6月22日】中国商務部の報道官は21日、中国が欧州連合(EU)産豚肉などへの反ダンピング(不当廉売)調査を開始すると発表したのは、中国製電気自動車(EV)に対するEUの追加関税への報復措置であり、欧州各界が貿易摩擦の激化や「貿易戦争」の勃発を懸念しているとの報道に関し、責任は完全にEU側にあると述べた。

 報道官は次のように述べた。中国は関係の報道に留意している。中国とEUの間に現在生じている貿易摩擦の局面を、中国は望んでいないと強調する。中国は常に双方の指導者の共通認識の精神を堅持し、双方の会合や世界貿易機関(WTO)第13回閣僚会議(MC13)など2国間・多国間の場で、EUの機関や加盟国に話し合いや電話、書簡などさまざまな方法で中国の立場を説明するとともに、開放的で協力的な態度を示し、対話と協議を通じて問題を適切に解決するよう明確に要求している。中国は常にWTOのルールを順守し、貿易救済措置の発動を控えてきた。

 遺憾なことに、EUは絶えず貿易係争を引き起こしている。今年に入ってからだけでも、中国に対して31件の貿易・投資制限措置を打ち出し、うち25件を貿易救済措置が占めた。さらに外国補助金規制(FSR)と国際調達措置(IPI)調査も発動し、中国とEUの経済・貿易協力を著しく阻害している。EUは貿易摩擦を絶えず激化させており、「貿易戦争」を引き起こす恐れもある。責任は完全にEU側にあり、EUには少なくとも「三つのしていない」ことがある。

 一つ目は、指導者の共通認識を実行に移していない。中国とEUの指導者は協力の深化、意見の相違への適切な対処の面で一貫して幅広い共通認識がある。習近平(しゅう・きんぺい)国家主席が繰り返し強調しているように、中国とEUは戦略的意思疎通を強化し、建設的な対話で理解を深め、意見の相違に適切に対処すべきである。EUの指導者も何度も高い賛同を示し、中国との交流・対話を強め、より多くの互恵協力を進めることを望んでいる。EUは今回の反補助金調査の過程で、双方の指導者の重要な共通認識を無視し、客観的事実を鑑みず、中国側の度重なる厳正な申し入れも顧みず、調査結果をあらかじめ用意し、不当な税率を課すことを決定して、双方の企業の利益を損ない、中国との経済・貿易協力の大局を破壊し、世界の気候変動対応協力を妨げている。

 二つ目は、WTOのルールを順守していない。これまでに各方面から寄せられた報告によると、EU欧州委員会は業界の申請がない状況で、産業保護を理由に、中国製EVに対する反補助金調査を発動したが、証拠の十分性と調査の正当性に欠けていた。調査の過程では、結果をあらかじめ用意し、反補助金調査の手段を不当に使い、ルールや既存の慣行に従ったサンプルの採取もしていない。調査結果発表前の事前開示を見れば、中国企業が調査に協力して提供した情報を欧州委員会が完全に無視し、いわゆる「補助金」を人為的にでっち上げ、誇張して、規定に反して高い税率を課すことを決めたことが分かる。こうした措置はWTOの透明、公正、非差別の原則と多国間協力の精神に著しく反している。

 三つ目は、企業の合法的権益を保護していない。EU側は今回の反補助金調査の過程で、中国企業に恐怖心を与え、圧力をかけ、懲罰的高税率を認定すると脅し、必要以上に広範な情報を提供するよう求めた。そのうちの多くが事業上の機微な情報と企業の核心的機密に関わり、中国企業の商業秘密と知的財産権に触れるものだった。EU側は裏工作をして、EUメーカーの情報を隠し、EU域内の業界の被害評価を適時かつ完全に開示せず、中国企業にアンケート回答を急がせ、中国企業の知る権利と抗弁する権利を侵害した。EUは不当に調査結果をあらかじめ用意し、目的に沿ってサンプリング企業を選び、輸出量が最も多い企業を排除し、調査結果をねじ曲げ、企業が提出した抗弁意見や証拠資料を無視し、中国企業の正当な経営権と公正に競争する権利を損なった。

 EUの措置は典型的な保護主義であり、自国の正当かつ合法的な利益を守る中国の決意は揺るぎない。中国はEUが言動を一致させ、中国と同じ目標に向かって歩み寄り、双方の指導者の共通認識を実行に移し、双方の合理的懸念に配慮するとともに、WTOのルールに従い、対話と協議を通じて意見の相違に適切に対処し、正しく付き合う道に立ち返り、貿易摩擦が激化し制御不能になる事態を避け、経済・貿易協力の安定的かつ長期的な発展を共に推進するよう望む。

© 新華社