「土日は終日埋まることも」訪日客増でコインロッカー利用好調 観光地最寄りが人気

訪日客の増加で、コインロッカーの利用も増えている=小田急線小田原駅

 インバウンド(訪日客)の増加に伴い、駅構内などにあるコインロッカーの稼働率が好調に推移している。大きなスーツケースなどを預けられるとして重宝されている。メーカーは従来の取引先施設からの注文だけではなく、業務効率化や人手不足対策に活用される商品も開発し、売り上げ増につなげている。

 11日午前10時ごろ、小田急線小田原駅周辺ではスーツケースなどを片手に持った外国人観光客がコインロッカーに荷物などを預けていた。スウェーデンから訪日した女性は「箱根に行く前に小田原城などを観光するため、ロッカーを使った。日本観光ではよく使う」と話し、周辺散策に出かけていった。

 小田急沿線70駅のコインロッカーなどを管理する小田急グループの小田急ビルサービス(東京都)によると、訪日客の増加により、小田原駅など観光地最寄り駅のコインロッカーの利用が増えているという。商業開発部の上野誠部長は「スーツケースを持ったまま移動する外国人観光客が多く、コインロッカーが人気だ。特に、大型荷物用の利用率が高く、土日などは終日埋まってしまうこともある」と話す。

 同社のコインロッカー事業の売り上げは新型コロナウイルス禍前の2019年度までは戻ってないものの約9割まで回復した。「都内では月に250万円売り上げるところもある」と上野部長。コインロッカーの価格帯は数百円と安価だが、利用状況も把握しやすいことから安定的に利益が見込めるとして同社にとって欠かせない事業になっている。

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