名匠アレクサンダー・ペイン×名優ポール・ジアマッティ 「サイドウェイ」の名タッグが贈る最新作『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』

『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』Seacia Pavao / © 2024 FOCUS FEATURES LLC.

『サイドウェイ』で見事なコンビを見せたアレクサンダー・ペイン監督とポール・ジアマッティが再びタッグを組んだ最新作『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』が、6月21日(金)より劇場公開された。このたび、アレクサンダー・ペイン監督からのメッセージ動画と、本編シーンの一部が解禁となった。

『サイドウェイ』の名タッグふたたび!

『サイドウェイ』と『ファミリー・ツリー』で二度の「アカデミー賞」脚色賞に輝くアレクサンダー・ペイン監督最新作。日本でリメイクもされた『サイドウェイ』で主演していた名優ポール・ジアマッティとの再タッグは映画ファンの胸を高鳴らせ、「ゴールデングローブ賞」で主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を見事受賞。

さらに、本年度の「アカデミー賞」助演女優賞受賞をはじめ、「ゴールデンクローブ賞」ほか全58賞(3月5日時点)と全米の映画賞を総なめにしたダヴァイン・ジョイ・ランドルフが、言葉ではなく、表情や仕草で大切なひとり息子を失ったメアリーの孤独を体現し、新人のドミニク・セッサは家族との複雑な関係を繊細に演じて強い印象を残している。ペインの細い糸を織り成すような丁寧な演出と3人の見事な名演が融合し、小さな心のひだの動きが刻まれた、静かなマスターピースとして結晶した。

ほろ苦く、あたたかな、良質ドラマの新たな金字塔が誕生

バカンスや家族のもとに戻った人々を尻目に、まるで“置いてけぼり”になったように学校に取り残された3人が織りなす物語について、ペイン監督は、「かなり複雑な3人のキャラクターが意外な家族像を作り、お互いを愛する方法を人間的でエモーショナルな形で見つけていく物語」と説明。

クリスマスが明け、休暇中にボストンに行きたいというアンガスの強い願いが叶い、3人は車でボストンへ向かう。この本編シーンは、3人で入ったレストランでのユーモラスな出来事を捉えたもの。アンガスの希望でチェリー・ジュビリーを注文するが、“大人のお菓子”なので彼は食べることができない。そこで、メアリーは機転をきかせて“嘘”を付き、アンガスもすかさずアピール。しかし、店員は笑顔でお祝いの言葉を述べるのみで、注文を受けようとしない。ハナムはその融通の利かない態度を口汚く批判し始め、それをそっと制止したメアリーは、店外でチェリー・ジュビリーを楽しもうと注文の仕方を変更する。生真面目で小難しいハナムと、料理長として経験豊富なメアリー。この後、3人は駐車場でお手製のチェリー・ジュビリーを味わうことにするのだが…。

このシーンをはじめ、劇中に起こるささやかながらもコミカルな事件のいくつかは、脚本を務めるデヴィッド・ヘミングソンの実体験に基づいたもの。対照的なふたりがアンガスのために小さな奮闘を見せ、物語の序盤ではまるでかみ合わなかった3人の心がゆっくりと近づきつつあることも感じられるワンシーンだが、監督は「私は映画的な人生よりも、実生活に近い主人公とストーリーが好きなんです」と語るが、まさにそれを体現するような場面でもある。

『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』は6月21日(金)より劇場公開中

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