阪神の主軸・森下翔太(23) 父が記した息子の野球日記は6歳から「今があるのはお父さんのおかげ」

2022年、ドラフト1位で阪神タイガースに入団した森下翔太。

ルーキーイヤーの2023年は10本塁打を放ち、日本シリーズでは歴代新人最多となる7打点を挙げ、球団38年ぶりの日本一に大きく貢献した。

そんな23歳の若さで阪神の主軸を張る森下は、父・善文さんとの二人三脚で野球の礎を築いてきた。

森下翔太:
野球を始めるきっかけをくれたのもお父さんですし、今があるのは お父さんのおかげかなって思います。

父の愛が詰まった野球日記

善文さんは息子のために、6歳の頃から「野球日記」をつけていた。

最初のページには、善文さんの決意表明が…

父の野球日記:
翔太が少年野球を始めることを機に「翔太野球日記」を綴ることにした。

幼少期より野球を教えたのは自分の夢“子供とキャッチボールをやること”を早く実現させるためであったが、翔太はすでにかなえてくれた。

野球バカの父親からすると、ほんと親孝行な子供である。この先もし野球をやめることになったとしても、本人の意思を尊重したいと思う。

自分が引きずり込んだ野球の道、最後までサポートします。翔太には野球を通し、色々なことを学び、そして感じ、心も体も大きく育ってほしい。

ガンバレ 翔太!

この熱いメッセージとともに始まった「翔太野球日記」

日記には日々の練習メニューが事細かに記されている。

父の野球日記:
2007年1月14日。大公園練習 9:30~16:00AM ランニング、体操、奪取、馬跳び、ノック今日も「野球行きたくない」と言っていたが深い意味はなく、ただ少し遊びたかった様だ。

PM ランニング、体操、馬跳び、キャッチボール、ティーバッティング初めて試合形式のバッティングをやった。 3打席。3ゴロ ショートゴロ 3エラー

感想を聞くと「緊張したけど、楽しかった!」

このように具体的な練習メニューや、その日どんな発言をしたのか、またそれについての感想まで練習があった日は毎日、ノートにびっしりと書かれている。

原点は野球を楽しむ気持ち

では森下はどんな少年だったのか当時のことを父・善文さんに電話で伺った。

父・善文さん:
小さな頃は引っ込み思案で、すぐに隠れてしまうような子供でして、本人が嫌だったら、(野球を)やらせるつもりは全くなくて、とにかく楽しんで野球が好きになってくれて、それが続いた上で練習自体をどうやって楽しくするかは常に考えていました。

現在プロ野球という大舞台で活躍を続ける森下。その原点には父の教え「野球を楽しむ気持ち」があった。善文さんの野球日記にも「楽しく♪楽しく♪楽しく♪行こうーぜ!」と綴られている。

森下翔太:
なんか考えてくれているなっていうのは感じましたけど、こうやってノートにしているのは全然知らなかったので、すごいっすね、すごいなマジで。自分が親だったらここまでできる自信はないです。

この日森下は、父・善文さんが記した「翔太野球日記」に初めて目を通した。

森下翔太:
全部支えてくれたのはお父さんなので、やっぱりもっともっと親孝行ができるように、これから頑張っていきたいと思います。

父の日の試合では(6月16日ソフトバンク戦)ヒット1本とフェンス際の打球をジャンピングキャッチするなど勝利に貢献。今シーズンはここまで(6月19日現在)主に3番で出場しチームトップタイの6本塁打を記録している。

父の愛が詰まった「翔太野球日記」。ここまで育ててくれた父に恩返しをするため、森下はこれからも、野球を楽しむ姿を見せ続けるだろう。

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