戦争のない世界を 市民ら祈り 水島空襲79年 平和の鐘鳴らす

平和の鐘を鳴らし、犠牲者の冥福を祈る出席者たち

 1945年の水島空襲から79年となった22日、倉敷市福田町古新田の水島緑地福田公園で「平和の鐘」が鳴らされ、市民らが恒久平和を祈った。

 85人が参列し、空襲が始まった午前8時36分、野田清敏さん(88)=同市=と杉谷千香子さん(66)=同市=が代表して鐘を打ち鳴らした。澄んだ音が響き渡る中、犠牲者をしのび1分間黙とうした。

 10歳の時に長崎で被爆したという野田さんは「平和のありがたさを実感しながら鳴らした。世界中から戦争がなくなることを願いたい」と話した。

 水島空襲は、軍用機を製造していた三菱重工業水島航空機製作所(現三菱自動車水島製作所)を標的に米軍機が爆撃。11人が亡くなり、46人が重軽傷を負ったとされる。

 平和の鐘は倉敷市が90年に設置。広島、長崎の原爆の日と終戦記念日にも鳴らしている。

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