「シセンネズコ」を重慶から西蔵に移植 生態環境改善に期待

「シセンネズコ」を重慶から西蔵に移植 生態環境改善に期待

 【新華社重慶6月22日】中国重慶市にある重慶雪宝山国家級自然保護区の科学研究チームはこのほど、ヒノキ科の常緑樹「シセンネズコ(崖柏)」の若苗千株を西蔵自治区昌都(チャムド)市に届けた。

 シセンネズコは国家1級保護野生植物で、寒さや干ばつ、やせた土地などへの耐性を持つ。樹木が育ちにくい乾燥地域にある怒江峡谷は典型的な「乾熱(高温、低湿度)」河谷地形で、シセンネズコを同自治区に移植するための重要な試験栽培区域にもなっている。同地域では耐乾燥性植物の植樹を繰り返し試みてきたが、顕著な成果は得られていない。

 科学研究チームは20年以上にわたりシセンネズコの繁殖試験を行い、累計270万株を人工繁殖させ、うち75万株を野外へ戻してきた。甘粛省や内モンゴル自治区、山東省など国内11地域で栽培し、平均生育率は70%を超える。

 シセンネズコが青蔵高原に根を張ることは、中国西部の乾熱河谷地域の生態環境を改善する上で重要な意義を持つ。(記者/李暁婷)

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