バーサーカー(ばーさーかー)

「バーサーカー」の意味

「バーサーカー」(ばーさーかー)とは、北欧神話に登場する異能の戦士のこと。
元々の意味はこれであるのだが、用いる媒体や作品、ジャンルによってそれぞれ意味が異なる。「ベルセルク」も同意語である。

「バーサーカー」の由来・語源

元々は古ノルド語・アイスランド語で「ベルセルクル(Berserkr)」と呼ばれていたものが発端である。それがノルウェー語で「ベルセルク(Berserk)」と読まれるようになり、英語では「バーサーカー(Berserker)」と読まれるようになった。日本語に翻訳した場合は「狂戦士」と訳されている。

元々の北欧神話に登場する「ベルセルク」とは、軍神オーディンの祝福を受けた戦士のことである。戦士たちは戦いの前に熊や狼などの野獣を宿すための儀式を行い、鬼神のごとく戦場に赴く。そのことから語源が「熊の(毛で作った)上着を着た者」「鎧を纏わない者」であるとする説がある。

しかし、野獣のごとく戦うというのは諸刃の剣であり、この状態に陥った戦士は敵味方関係なく、「動くもの」「同族ではないと判断した者」などを排してしまうため、味方陣営や護衛すべき王族などからは離れた場所に配置されていたとされている。

圧倒的な力を発揮したあとは、虚脱状態に陥るとも言われている。
その後、この神話がイギリスに伝わり、英語読みの「バーサーカー(Berserker)」が誕生する。そして、北欧諸国でもこの神話は語り継がれていたのだが、時代を経るにしたがって「野蛮な者」「無法者」という意味に変化してしまったという。

「バーサーカー」の活用例

近現代における「バーサーカー」「ベルセルク」の例をいくつか紹介する。

▼日本の漫画に登場する「ベルセルク」
三浦建太郎氏の漫画のタイトルおよび「龍殺し」と呼ばれる巨剣を持つ主人公ガッツの異名である。同作は、世界中にファンを持つダークファンタジーの巨頭であったが、三浦氏が2021年に急死。未完の作品となってしまったが、その後、三浦氏の盟友であった森恒二氏が監修、三浦氏の弟子である「スタジオ我画」が作画を務めることで連載が再開した。

▼SF作品に登場する「バーサーカー」
フレッド・セイバーヘーゲンのSFシリーズのひとつ。すべての生命体を滅亡させるために、無差別殺傷兵器が遠い銀河から到来してくるというもの。作中で人類がこの兵器を「バーサーカー」と命名している。

▼Fateシリーズに登場する「バーサーカー」
近年は「バーサーカー」というとこちらをイメージする人が多いのではないだろうか。
英雄や偉人、作品をモチーフにした「英霊」を意味する「サーヴァント」のクラス名のひとつである。「発狂したという説が残っている」「狂気的とも思える行動や生き方をした」がクラス分類の条件になっている。

一例をあげると「ナイチンゲール」「呂布奉先」「清姫」「ハイド(ヘンリー・ジキルが生み出した人格)」「アステリオス」などが同クラスである。

▼ステータス異常の「バーサーカー」
コントロール不能になって、ひたすら「攻撃」のコマンドを繰り返している状態のこと。
初出は「ファイナルファンタジー2」であり、「バーサク」という魔法を使用することで発生する。近年のゲームでもステータス異常として多く使用されている。

▼バーサーカーの使用例
「バーサーカーって強いけど、防御してくれないから、短期決戦向きな気がする」

「〇〇(キャラクター名)って、なんかバーサーカーみあるよね」

「☆5(最高レアリティ)バーサーカー来ないかな」
「描けば出るよ」
「それなぁ。あながちバカにできない」
→「描けば出る」とは、ソシャゲのガチャをするにあたり、欲しいキャラクターを絵に描くことで、引き当てようという一種の願掛けである。たまに本当にこれで出たりするのであなどれない方法である。

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