Aマッソ・加納、若手時代の大失敗…“引き芸” でディレクターから「すかしてんじゃねぇ」台本でどつかれた過去

ワタナベエンターテインメント所属の芸人が競う賞レース『ワタナベお笑いNo.1決定戦2024』が6月15日に開催され、Aマッソが初優勝しました。

Aマッソ・加納さんとむらきゃみさんは、優勝した瞬間、満面の笑みで飛び跳ねて喜びを全身で表していました。

この大喜びの2人のリアクションは、筆者にとって感慨深いものがあります。Aマッソは若手時代から、前へ出ることをしない “引きの芸風” で、ランジャタイ・国崎和也さんは加納さんのことを「最後のダウンタウン病」と表現していました。ダウンタウン・松本人志さんがかつてやっていたような、ボソボソとつぶやくような芸という意味です。

筆者は以前、加納さんに若手時代についてお話を伺っています。

Aマッソは2019年ぐらいまで、お笑いの仕事だけでは生活できない状況だったと言います。

「その頃がいちばんライブもなくなって、『どうしよう』って感じで。それでネタだけじゃなく『やれることはなんでもやろう』みたいな感じでしたね」

そういった状況を抜けだすきっかけとなったのが、2020年に初めて決勝に進出した『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ系)でした。そこからバラエティ番組のオファーが増えたそうです。

今でこそバラエティ番組で活躍してる加納さんですが、メディアに出始めの頃は尖った芸風で失敗もしたと言います。

「7、8年前、若手のネタの勝ち抜きバトルの番組で1位になったら、上の時間帯の番組に出られるみたいなのがあって。その番組で優勝したときに、私がテンション低めの『イエ~い』みたいなリアクションで、ガッツポーズをしなかったんですよ。そしたら収録が終わった瞬間に、ディレクターさんに『すかしてんじゃねぇよ!』って台本でバーンってどつかれて。それはめちゃくちゃ鮮明に覚えてますね」

3年ぐらい前に、加納さんは、そのディレクターさんと再び一緒に仕事をすることになります。

「その人がプロデューサーに昇進してえらくなってたんですけど、『加納さん、お願いします』って頭を下げてきて。『こいつ!』って(笑)。なんかすごい『芸能界やな』と思いました」

しかし、今となっては「あのときはすいません」という気持ちだと加納さんは言います。7、8年前に優勝したときのリアクションは、テンション低めの「イエ~い」だった加納さんが、いま今では満面の笑みでジャンプ。今のほうが見ている側も気持ちがいいので、筆者としてはこちらのリアクションのほうが好みです。

今後もAマッソの活躍は続きそうですね!

インタビューマン山下
1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退しライターに転身。しかし2021年に芸人に復帰し現在は芸人とライターの二足のわらじで活動している。

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