自民党・麻生副総裁と立憲民主党・岡田幹事長が新潟に 自民議員から“首相退陣論”…立憲支持者からは「やってることと言ってることが…」

政治資金問題を背景に岸田政権が揺れる中、自民党の麻生太郎副総裁と立憲民主党の岡田克也幹事長が6月に新潟県を訪れた。自民党の議員から岸田首相の退陣論も出るなど衆院選や総裁選をめぐり、各党の思惑が錯綜している。

立憲・岡田幹事長 自民党を痛烈に批判

6月9日、新潟市秋葉区で集会を開いたのは、立憲民主党で新潟3区から出馬予定の黒岩宇洋前衆院議員だ。

新たに加わった選挙区で支持を拡大するため、党本部の岡田克也幹事長が応援に駆けつけた。

「私は自民党を上回る議席を取って、そして立憲民主党が主導して新しい内閣をつくっていく。そのことは十分に可能だと思っている」

岡田幹事長が言及したのは10月の衆院選の可能性について。黒岩氏への支援を仰ぐとともに、政治資金問題に揺れる自民党を痛烈に批判した。

「本気でこの問題を反省し、そして国民の皆さんの政治不信の源ですから、本気になって対応しないといけない。過去の自民党なら考えられないこと。岸田さんに本気で火の玉になって取り組もうという気があるとは到底思えない」

“政治資金パーティー”巡り厳しい意見

一方、立憲民主党が政治資金パーティーを禁止する法案を国会に提出する中、岡田幹事長は5月にパーティーの開催を予定。批判が相次ぎ、パーティーを中止した。

これに対して、集会の参加者からは「やっていることと言っていることが違うじゃないか!」と厳しい意見が飛ぶ場面も。

黒岩氏は「私も“企業献金もらわない”、“パーティー開かない”、やせ我慢した。でも、これ私が偉いわけではない。強いて言えば、私が図々しいから。支援者の日当どころか、みんな手弁当だ。やっぱり中央でしっかり声を届けたい。そのために力を貸してください」とパーティーを開かず、支援者の力を借りてここまでやってきたと訴えた。

「しっかりと、これからどういう局面になっても勝ち抜くという、風が吹こうが吹くまいが勝ち抜くというのは私の今の責務だと思っているので、しっかりやる」

自民・麻生副総裁 資金調達の必要性訴える

一方、対象的に6月16日に政治資金パーティーを開いたのは、旧新潟3区選出の斎藤洋明衆院議員だ。

「政治資金パーティーは最も開かれた資金調達の方法として非常に重要な仕組みだと思っている。問題は不正を起こさないということだと思っている」と資金調達の方法として政治資金パーティーは必要との考えを示した。

このパーティー会場に駆けつけたのは、所属する派閥の会長・麻生太郎副総裁だ。

政治資金パーティーをめぐる問題を受け、「党の執行部の一人として大変遺憾に思っている」とした一方で、資金調達の必要性も訴えた。

「覚えておいていただきたいのは、この民主主義というのはコストがかかる。タダではない。誰かが金を集めてくれて、誰か特別な団体が集めてくれて、金が自然に集まるというわけではない。地方議員は東京と新潟両方に事務所・自宅を持たねばならない。そういう負担は間違いなくある。政治活動をやっていく上で必要な経費。加えて後援会というものを確立して、それを維持していかなければならない」

総裁選は…齋藤議員から“首相退陣論”も

最後に賃上げの実現など岸田首相の功績に触れて会場をあとにした麻生副総裁。

しかし、その後の挨拶で齋藤議員は「こうなった以上、自由民主党、誰かが責任は取らなければいけないと思う。リーダーの責任ということも私は大いに議論されるべきだというふうに思っている」と岸田首相の退陣論を唱え、さらにこう続けた。

「私自身は次の総裁選において、真に自民党を改革できるような総裁候補を応援したい」

2024年9月の総裁選をめぐっても揺れる岸田政権。

このほか、新潟3区には日本維新の会の吉村祐一郎さんも立候補を予定していて、衆院選に向けた各党の思惑が錯綜している。

(NST新潟総合テレビ)

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