1番起用で5試合10安打3本塁打9打点で“覚醒”した大谷翔平。2戦連発の22号弾&リーグ首位打者の活躍に指揮官感服「彼は何でもやってくれる」

勢いが止まらない日本人スラッガーに指揮官は破顔一笑だ。

ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平が本拠地でのロサンゼルス・エンジェルス戦に「1番・指名打者」で先発出場し、リーグトップを快走する22号先制2ランを放った。試合は延長戦の末にドジャースが2対3で競り負けたが、大谷は2打数2安打2打点の活躍で、打率は.318から.322に上昇。本塁打数トップだけでなく、ついにリーグ首位打者にも返り咲いた。

昨年オフに6年間在籍したエンジェルスから10年総額7億ドル(約1015億円)という北米プロスポーツ史上最高額でドジャースに移籍した大谷。愛着ある古巣との初対戦でド派手な花火をかっ飛ばした。

第1、第2打席は四球を選んだ大谷は、スコアレスで迎えた5回裏、相手3番手の甘い直球を見逃さず強振すると、打球をバックスクリーン右の客席に着弾させた。2試合連続となる22号2ランホームランにドジャー・スタジアムは大興奮。打球速度113マイル(約181.8キロ)、飛距離455フィート(約138.7メートル)をマークする特大弾は、リーグトップを走る本塁打王争いで2位につけるマーセル・オズーナ(アトランタ・ブレーブス)に2本差をつけた。

2対2の同点で迎えた8回の第4打席は投手強襲の内野安打で出塁すると、フレディ・フリーマンの打席で盗塁を試み今季初めて失敗に終わったが、1番打者として得点につなげようとする積極的な姿勢を示した。
試合は延長戦で惜しくも逆転負けを喫したが、大谷の奮闘は指揮官から高い評価が下されている。ドジャース専門メディア『Dodger Blue』によると、デーブ・ロバーツ監督は「ショウヘイ・オオタニのリードオフマンとしての意欲は、とにかく素晴らしい。私が頼むことは何でもやってくれる」と満足した表情で語っている。

指揮官が言及するように、左手骨折で離脱したムーキー・ベッツの代役として1番に抜てきされた大谷の直近の活躍は目覚ましい。前カードのコロラド・ロッキーズとの4連戦に限れば、18打数8安打7打点で打率.381、2本塁打、6得点、長打率.810、出塁率.458、OPS1.268と軒並みハイアベレージを叩き出している。この日の試合を含めると、1番では20打数10安打3本塁打9打点と手がつけられない。

MLBスポーツライターのホセ・アントニオ・メナ氏は直近5試合の大谷の活躍について「ショウヘイ・オオタニはエンジェルス戦で22本目のホームランを放ち、ナ・リーグ本塁打王のリードをさらに広げた。さらに、打率も.322で首位に立った」と自身のX(旧ツイッター)に綴り、6月後半の打棒爆発に目を見張った。

主力離脱が相次ぐなか、背番号17は切り込み隊長としてギアをさらに上げてチームを盛り上げている。

構成●THE DIGEST編集部

© 日本スポーツ企画出版社