町田の黒田監督「驚きを隠せない」 J1前半戦で首位争い「目の前の試合を必死に戦っている」

試合後には笑顔を見せた黒田剛監督【写真:徳原隆元】

福岡と0-0で引き分け、勝ち点を39に伸ばした

J1首位のFC町田ゼルビアは6月22日、リーグ第19節で7位のアビスパ福岡と対戦し、0-0で引き分けた。ホームの町田GIONスタジアムで勝ち点を39に伸ばした町田は、19時キックオフの試合で鹿島アントラーズが4点差以上を付けて浦和レッズに勝利しない限り、前半戦を首位で終えることになった。

J2優勝してJ1初昇格を果たしたチームにとって前半戦を首位で折り返せることは快挙といえる。試合後の記者会見で黒田監督も「予想外の一面もある」と、本音を漏らした。

試合を振り返り、黒田監督は「今日は守備の堅い福岡さんとの対戦で、その5バックをどうこじ開けるかということで、かなり悪戦苦闘しました。チャンスは何度かありましたが、最後のクオリティーが1つ付いてこなかった印象です」と所感を語る。

「ゲームプランも0-0の考え方、失点をしないというところから少ないチャンスをものにする、本来の町田の考え方を上手く使いながら戦いましたが、お互いに大きいチャンスにはつながらなかったかなという印象です。バイタルエリア、ポケット周辺のクオリティーをさらに強化し、またトレーニングで積み上げ、また次節以降頑張っていきたいなと思います」

また、首位で前半戦を折り返せる可能性が高いことについて、黒田監督は「目標をあえて高く掲げながらここまでやってきましたが、選手たちの奮闘、成長が著しく、ここまで首位争いしていることに驚きを隠せない一面もあります。選手、クラブスタッフも含め、今日も9,000人のファン・サポーター、町田の小学生約2,000人が来てくれましたが、彼らが我々の背中を押し、みんなで戦えていることが我々の励みにもなっています。いろんな人の力を借りながら優勝争い、首位争いしていることにありがたみを感じます。予想外ではありますが、我々はブレずに進めたらいいと思います」と、感謝の意を述べた。

上位争いをするチームといえば、レギュラーが固まっていることが多い。しかし、町田はU-23日本代表に選手が招集されたり、負傷者が続出したりと、同じメンバーを組むことが難しい側面もあった。どれだけ先を見たプランニングをしているのかという問いに対し、黒田監督は「そんな余裕はない」と苦笑した。

「先を見る余裕があるかといえばないですけど、やっぱり目の前の一戦に交代メンバーを含めて、どれだけベストでいけるか。怪我人がどれくらい上がってくるかを含めて、すごくやきもきして毎週を迎えています。そのなかで選手たちが与えられた仕事、タスクをしっかりこなしてくれる。誠実に向き合ってやってくれている。先のことを考える余裕があればいいのですが、J1、1年目ということで目の前の試合を必死に戦っています」と、一戦必勝の連続がこの結果につながっていることを強調した。(河合 拓 / Taku Kawai)

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