マレーバク「ひでお」、台湾への移動中に死ぬ よこはま動物園ズーラシアから個体交換、SNSに悲しみの声

台湾への移動中に死亡したマレーバクのひでお(よこはま動物園ズーラシア提供)

 よこはま動物園ズーラシア(横浜市旭区)は22日、同園で飼育していたマレーバクの「ひでお」(2歳)が台湾の動物園への移動中に死んだと発表した。繁殖を念頭に置いた個体交換のための出園で、前日に見送られたばかりだった。交流サイト(SNS)では突然の死を悲しむ市民たちの声が広がっている。

 同園によると、ひでおは21日の午前中に同園を出発し、午後6時ごろに離陸。日本時間で同9時半ごろに台湾の空港に到着した。

 着陸後、通関の手続きを前に輸送箱の通気穴から血痕が見え、呼吸の確認もできなかったため、急いで手続きを終わらせたが、台北市立動物園への到着後に死んだことが確認された。

 ひでおが入る木製の輸送箱には上体を起こしたり、しゃがんだりできる余裕はあったという。台湾側と協力して死因を調べている。

 ひでおは2022年1月に同園で17年ぶりに生まれたマレーバクで、母親のロコから愛情を一身に受けて育った。同園の久保良法副園長は「ひでおとロコはとても仲がいい親子で、重なるように寝ていた」と振り返り、「マレーバクは絶滅の危機にあることもあり原因を探って生かす必要があるが、残念としか言いようがない」と声を落とした。

 SNSでも「あまりに辛すぎて言葉にならない」「ショックで頭が真っ白」などと悲しむ声が広がった。

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