年に2回ほど息子夫婦が帰省しますが毎回交通費を請求されます。親が出すのが当たり前なのでしょうか?

親世帯が子世帯の帰省費用を負担する割合

株式会社ハルメクが行った子世帯の帰省費用についての調査によると、親世帯が子世帯の帰省費用を一部負担していると回答された方が33.3%と最も高くなっています。次いで、子世帯が全額負担している割合が22.8%、親世帯が全額負担している割合が17.9%とされているようです。

親世帯が子世帯の帰省の際にいくらかの費用を負担している割合の合計は、69.1%と約7割にものぼります(その他を除く)。

帰省費用の負担額と割合

同調査によると、親世帯が子世帯の帰省費用を負担している金額と割合は表1の通りです。

表1

※株式会社ハルメク「子どもの帰省、親の負担相場は5万!?親子の経済事情」を基に筆者作成

親世帯が負担している金額で最も多いのは、1万円以上3万円未満で39.8%となっています。金額負担が大きくなっていくにつれて、割合も減少傾向にありますが、10万円以上も負担していると回答された方も8.4%と全体の1割程度はいるようです。

また、金額の使い道のなかで、最も多いものは食費で42.8%となっており、交通費(往復または片道だけ)が占める割合は16.4%とされています。

親世帯が子世帯の帰省費用を負担する理由

子世帯の帰省費用を負担する理由では、親として負担してあげたいと考えている親世帯が55.7%と半数以上となっています。また、そもそも親が負担するものと思っている(負担することになっている)という割合も26.2%も存在し、帰省費用の負担が当たり前とされている事実もあるようです。

親世帯に負担してもらっている子世帯の意見としても、親が負担するものだと思っている割合が47.8%と最も高くなっており、帰省費用は親に負担してもらうことを前提と考えている方が多いとうかがえます。

ただし、親世帯側も子世帯の帰省を望んでいたり、子世帯の経済的負担を考慮して交通費を出したりしているケースも考えられるため、帰省費用を負担することが嫌なわけではない場合もあるでしょう。

老後生活も見据えて負担額を相談する

親世帯側の考えとしては、子世帯に対するプライドや、帰省してくれることへの気を遣いから、つい帰省費用を出してあげたくなるケースも多いでしょう。

しかし、働いておらず帰省費用を自分の蓄えなどから捻出している場合は、将来の老後生活が苦しくなってしまう可能性もあるため、注意が必要です。

例えば、年に2回の帰省で子世帯に6万円(1回3万円)の帰省費用を負担すると、10年で60万円、20年で120万円の負担となります。もし、将来の老後生活を考えたときに、子世帯への帰省費用の負担が難しいようであれば子どもと相談し、全額負担から一部負担にしてもらうなどの対応を検討してもよいでしょう。

子ども側も親の収入事情などを考慮して、親の負担になり過ぎないように配慮することが大切です。

子世帯の帰省費用を負担している親世帯の割合は7割程度

子世帯の帰省費用を負担している親世帯の割合は、全額負担や一部負担などを含めると7割程度となっています。金額に関しては1万円以上3万円未満が最も多く、10万円以上の負担をしている親世帯も存在します。

親側は自分の将来の老後生活を見据えて、無理のない範囲での帰省費用の負担が重要です。もし、毎回の帰省費用の負担が重いと感じるようであれば、子どもに相談することも検討してみてください。

出典

株式会社ハルメク 子どもの帰省、親の負担相場は5万!?親子の経済事情

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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