まるっこ可愛いすぎる!「ストーンアート」であふれる山! 昭和おじさんも思わず “胸キュン” する「ローカル名低山」レポ

登山道の各所で見られるストーンアート(撮影:野口宣存)

兵庫県西脇市にある矢筈山(やはずやま:標高363m)は、近頃ちょっと注目度が高い山だ。

なぜかというと、登山道にある「ストーンアート」がかわいいから、らしい。そこで矢筈山に行ってみたところ、中年おじさんもキュンキュンしてしまった。

■矢筈山登山道

矢筈山への登山道はいくつかあるのだが、今回はストーンアートが楽しめる矢筈の森公園駐車場からのルートを歩いた。登山道は整備が行き届いており、道標も多く安心だ。

今回のルートである矢筈の森公園駐車場から始まる「ふれあいロード」は矢筈山山麓に延びている。したがってふれあいロードの起伏はゆるい。ふれあいロードには、山頂に向かう二つの分岐がある。手前がストーンアートが楽しめる「登山ロード」だ。そして奥が「どんぐりロード」である。

ストーンアートを見たかったので、登山ロードから登り、どんぐりロードから下りるルートを選択した。

■ストーンアートが楽しめる登山ロード

登山ロードは階段の急登。ストーンアートは登山ロード後半から始まる。ストーンアートはかわいいのはもちろん、置き場所にもセンスが光る。

また登山ロードを上りルートに選んだ理由にもなるが、登りの時にしか気づかない、階段のブロックの穴にもストーンアートがあったりするので気が抜けない。山頂が近付くと「あと◯m」と書いてある応援看板もかわいくなってくる。

登山でアートを楽しんだというのは初めての体験であった。

■矢筈山山頂

矢筈山山頂には神社と小屋がある。山頂からは西脇の市街地を見下ろすことができ、眺望抜群。山頂にもストーンアートがあちこち隠れているので探してみよう。

そして忘れてはならないのが以前からある矢筈山名物、小屋にぶら下がっている「梵鐘」。撞いてみるのも一興である。屋根があり、雨天でも安心してお弁当を食べられるため、梅雨の季節も安心だ。小屋は居心地がよいため、休憩時間が長くなりがち。

また小屋でくつろいでいると、登山回数を競っているという地元登山者たちが、次々と登ってきては気さくに話しかけてくれる。おかげでアート以外でも大いに矢筈山を楽しめた。

■どんぐりロード

山頂を少し下ると、登山ロードとどんぐりロードの分岐に至る。どんぐりロードは九十九折の坂を下るルートだ。下るにつれだんだんと谷になってきて、沢沿いの道に変わる。

注意したいのはふれあいロードとの分岐点。実はここから舗装路も始まっている。舗装路に引き込まれると、矢筈の森公園駐車場に戻れない。ふれあいロードの道標を見逃さないように気をつけよう。

■矢筈の森公園

矢筈の森公園は矢筈山を含む森林公園。登山者用無料駐車場がある。

駐車場から山頂までの往復は、休憩時間なしで2時間前後。ストーンアートに魅入られたり、地元登山者の方々と話に花が咲いたときのことを考え、余裕のある登山計画を立てておこう。

訪れる際は車が便利。しかし、JR新西脇駅から2.6km、徒歩約40分なので、車がなくてもアクセスは可能。

かわいいストーンアート、フレンドリーな地元登山者の方々、雨天でもおいしくお弁当が食べられる居心地のよい小屋など、矢筈山は魅力がいっぱいであった。

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