あざとさウエルカム…飼い主が毎度撃沈する子猫さまならではのサイレントニャー

飼い主たちと暮らし始めて1か月の子猫さまの物語

【フレンチ猫さま】vol.244
猫さまの話をもっと聞かせて!
スコティッシュフォールドのユズさまは生後6か月の女性猫さま。




<ユズさまが語ります>
私は70年代に建てられた、パリのアパルトマンに住んでいます。50平米くらいで、ベランダもあります。私はまだ子どもなのでたくさん寝ています。



飼い主たちが家にいる時は甘えて、近くで安心して寝たりしています。犬みたいに飼い主たちの後をいつもついていき、いろいろなところでお昼寝をします。最近キャットツリーを買ってもらったので、そのいちばん上のクッションでくつろいでいます。



飼い主が家で仕事している時は、デスクがあるお部屋にずっと一緒にいてくつろいでいます。週末など休日は、友だちの猫と遊んだり外に散歩に行ったりします。



まだ子猫なので人間の食べ物はもらえず専用の食事だけですが、モッツァレラやチキンが食卓に上がる時はたまらず匂いに釣られてそばまで行きます。もう少しの辛抱だよと飼い主は言っています。特別にチュールだけはたまにもらうことができます。でも早く大人になりたい!


<飼い主から見たユズさまとは>
私はペットを飼ってはいけない東京のアパートで育ちました。長い間犬が好きで、猫はあまり好きではありませんでした。しかも猫アレルギーももっていました。それが少しずつアレルギーもなくなり、友だちの猫と接し、キャットシッターもするようになって猫が大好きになりました。数年前から自分の猫が欲しかったのですが、ひとり暮らしで日本に行ったり来たりが多かったので、飼えませんでした。彼と一緒に生活することになって、彼も猫好きなので一緒に飼うことに決めました。



元々オレンジキャットが大好きでそちらを探していましたが、友だちがスコティッシュフォールドを飼っていてとても面白くかわいい猫だなと思い、ネットでリサーチをしてユズと出会いました。初めて会った時、ユズはシャイなので隠れていましたが、抱っこしてみたら嫌がらず、私の目を見てゴロゴロしはじめました。その瞬間私は“この子だ”と思いました。そしてその次の日に迎えに行きました。



鳴き声がまだ子猫ちゃんの鳴きかたでとてもかわいいです。声をかけてみると、お返事するように泣こうとするのですが、声が出ないところがたまらないです。ユズはすごく優しくて、とても良い子です。撫でてもらうのが大好きです。とにかく私たちの手や顔を一生懸命なめるのがだいすきです。それはわたしたちをとても信用しているからだと思います。そして、いつも私たちの近くにいるのが大好きです。



最初はいろいろ怖がりましたが、慣れると何でもできるようになります。ネズミのぬいぐるみや黄色いハートのぬいぐるみが好きで、投げると口にくわえて持って帰ってきてくれます。ピンポンボールなどを上に投げると一緒に飛んで遊んでいます。とにかくかわいく、おもしろく、ずっと見ていてもあきない存在です。



ユズが我が家にやってきてまだ1か月ほどしか経ちませんが、もうユズのいない生活は想像できません。一日中出かけていなければいけない日などは、早く家に帰ってユズと遊ぶことが楽しみでしょうがないです。彼も私もユズに夢中です。私たちの子どもみたいな存在です。ユズが毎日幸せに過ごしてくれるように、私たちはいろいろお世話しています。



ユズは私のはじめてのペットなので、最初は責任感が大きいことに緊張していましたが、今では家族の一員のようです。見ているだけで面白いので家の中を明るくしてくれます。夜はテレビなどを見る必要もなく、一緒に何時間も遊んでいます。旅行もできるだけ一緒に連れて行って、ユズにもいろんな冒険をさせたいです。いつも一緒にいたい存在です。



先週末は初めて車に乗せて田舎の彼の実家に行きました。車の中では自由にしていて、窓から外を一生懸命眺めたり運転している彼の膝の上に乗ったり、後ろの席でお昼寝して過ごしていました。田舎のお家には広いお庭があるので、ひもをつけて机に登ったり走ったり、新しいことがたくさんできました。彼の両親の家に住んでいる大きなオレンジキャットともお友だちになりました。こういったバカンスをこれからもたくさん一緒にできればと思います。


ーー元々犬派だったユズさまの飼い主は少しずつ猫さまと接することで猫さまの魅力に取り憑かれたようです。アレルギーも克服できたのも猫さまと一緒にいたいと思う気持ちがそうさせたかも? とにかく今は彼氏とユズさまとの新しい生活を楽しんでいるのがよくわかりました。今後のユズさまの冒険の報告が楽しみですね。


著者情報
松永学
猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!

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