梅雨の晴れ間の紫外線はなぜ要注意?梅雨だからこそ油断できないワケを気象予報士が解説

全国的に梅雨入りしている地域が多くなる6月。4~5月と比べて雨の日が多くなったことで、「ようやく強い紫外線から解放される…」とホッとする人もいるかもしれませんが、ちょっと待って。その油断、あとで後悔につながるかもしれません。

今回は、気象予報士・防災士として活躍する植松愛実さんに、梅雨の晴れ間の紫外線が要注意なワケを教えてもらいます。

晴れの日だけで比較すると…?

毎月の紫外線量を調べると、1年をとおしてもっとも多くなるのは、7月から8月にかけてです。ところがこれは1カ月合計での話で、1カ月の間に、晴れて紫外線量が多い日も雨で少ない日もあるのを全部足しあわせたもの。

つまり晴れの日が少ない6月は、1カ月合計で見てしまうと必然的に7月や8月よりも紫外線量が少なくなるのです。では、ある晴れた日1日だけに注目すると、どうなるでしょうか?

真上から太陽光がさしこむ時期

太陽光が大気圏を通過して地上に届くイメージ(筆者作成)

じつは、丸1日晴れた場合に紫外線が一番強くなるのは夏至のころ、つまり6月20日前後です。というのも、夏至のころには太陽がほぼ真上から照りつけるため。

太陽から地上に届く光は、地球の大気圏をとおってやって来ます。その際、斜めからさしこむと大気圏を通過する距離が長くなり、その過程で少し弱められることになるのです。ところが夏至のころはほぼ真上から光がさしこむことになり、最短距離で地上に届くため、あまり弱まらずにやって来ます。

さらに夏至のころは1年で一番昼が長いこともあって、晴れれば1日あたりで私たちが受け取る紫外線量は1年でもっとも多くなってしまうのです。
(※なお、梅雨のない北海道では、1カ月合計で見ても6月にもっとも紫外線量が多くなります。)

晴れ間以外も…

ここまで梅雨、つまり6月ごろの晴れの日は紫外線量が多くなるため、梅雨の晴れ間が要注意であることを説明してきましたが、じつは晴れ間以外も油断大敵。というのも、紫外線のなかには、曇りや雨でも雲をとおり抜けて地上に届いてしまう種類があるのです。

雲を透過するタイプの紫外線は日焼けしないため気づきにくいのですが、時間をかけて肌にダメージを与え、シワやたるみの原因になってしまいます。しかもこのタイプの紫外線は、冬と比べると梅雨の時期には2倍くらいの強さになっているので、注意が必要です。

梅雨こそ万全の紫外線対策を!

曇りや雨の日が続くと、どうしても注意が抜けがちになってしまう紫外線対策。しかし、梅雨の時期に対策をサボってしまうと、1年でもっとも強い紫外線をうっかり浴びてしまったり、あとから紫外線のダメージに気づいたりして後悔することも。梅雨明けしてから本格的な紫外線対策をしようと考えている人は、ぜひ今のうちから万全の対策を始めてください!

■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。インスタグラムは@megumi_kitchen_and_atelier。
編集/サンキュ!編集部

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