G大阪が「絶対失速してしまう」? 宇佐美が募らせる危機感「今の勝ち方をフルでできると思わない」

宇佐美貴史が後半戦の戦いを見据えた【写真:産経新聞社】

G大阪は神戸を2-1で下し3位をキープ

ガンバ大阪は6月22日、ホームでJ1リーグ第19節ヴィッセル神戸戦に臨み、2-1で勝利し、5連勝を飾った。均衡した展開のまま後半25分にFWウェルトンが冷静なシュートを決めて先制に成功すると、終了間際にもオウンゴールで追加点。チームは8戦負けなし(7勝1分)と大きく勝ち点を積み上げているが、主将のFW宇佐美貴史は後半戦に向けて危機感を募らせた。

土砂降りで満員のスタジアム。勝利を手繰り寄せたのはG大阪だった。上位対決となった一戦で、相手も強度の高さを発揮。前半は神戸FW大迫勇也のゴール取り消しもあり、0-0で折り返した。

なかなかゴールをこじ開けられないG大阪は、後半も押し込まれる展開をしのぎ続ける。同17分にはFW武藤嘉紀がペナルティーエリア内から放った強シュートをG大阪のGK一森純が両手で枠外へ弾くスーパーセーブを見せた。すると同25分に試合が動いた。DF半田陸がゴール前へ入れたクロスを相手DFがクリア。こぼれ球をFWウェルトンが左足の弾丸シュートを決めて先制に成功した。ウェルトンは第5節広島戦以来、約3か月ぶりゴールで今季2点目となった。さらに後半40分にもオウンゴールで追加点を挙げた。

試合終了間際にはPKで1点差に迫られたものの、逃げ切ったG大阪は勝ち点を37に伸ばし首位FC町田ゼルビアとは勝ち点2差。2位鹿島アントラーズとは勝ち点で並んだ。

いよいよ首位の背中が見えてきた。直近8試合で勝ち点22を積み、波に乗ってきているはず。だが、ここで宇佐美はあえて課題を述べた。

「まだまだ伸びしろは残した状態。今日のようなゲームをやって、前半戦終わりですけど、勝ちに手繰り寄せたところはいいですけど、後半戦同じような今の勝ち方をフルでできると思わない。正直、前半戦のままの形なら、どこかで絶対失速してしまうポイントが来ると思う」

優勝争いに食い込んできているG大阪だが、中3日でアウェー2位鹿島戦、続く連戦のラストは首位町田との対戦と正念場が続く。

「そうならないようにやっぱりあれぐらいの強度を持った相手でも、やっぱりいなせるような力というのが必要ですし、もっと攻撃的にコントロール支配する時間帯というのはやっぱり必要ですし、相手の強度というのを無効化する上手さというものが、もっと必要だなと思います。今日の神戸のような強度というのを、僕らもフルでやっぱり出し続けられるかというところがさらに勝ち星をつけていけるかどうか、優勝争い踏みとどまれるかどうかというところだと思います」

2014年以来10年ぶりのJ1優勝へ――。宇佐美は「町田ももちろん難しいですけど、この3連戦でどれが一番難しいかと言われたら、アウェーの鹿島が一番難しいと思う」と話していた。(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)

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