MEGUMI「仕事がないとき先生3人に…」吉田鋼太郎「蜷川幸雄さんと20年」“演技の先生”を語る

俳優の吉田鋼太郎さん、女優のMEGUMIさん、映画監督・ドラマプロデューサー・脚本家の山口雅俊さんが『ボクらの時代』で鼎談。

6月21日から公開されている映画『おいハンサム!!』に出演している吉田さんとMEGUMIさん、監督の山口さんが演技について語りました。

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吉田鋼太郎「シェークスピア劇との出会い」MEGUMI「仕事がない時期 演技を習う」

山口:
撮影が大変で、(みんなと一緒に)食事したりする時間が全然なかったですね。

MEGUMI:
そうでしたね。

吉田:
ドラマと映画を両方やっていたので撮影期間は結構長かったから、「その間には1回くらいご飯食べに行きたいね」って言っていたのに、結局1回もご飯に行けなかったですよね。

山口:
昔の映画の撮影現場とかでは役について、朝まで飲んでとことん話し合うみたいなのがありますけど、あれは余裕のある時代だったからかな?(笑)

MEGUMI:
舞台とかはまだそういう(朝まで役について話し合う)ことは少しは残っていますか?

吉田:
いや、もう今は全然やってない。
みんな稽古の後はすぐ帰るし、本番の後もまっすぐ帰る。

MEGUMI:
そうですか!

吉田:
稽古や本番の後に役について飲んで語り合うことは、いかに不毛だということをみんな気がついたんだよね!

MEGUMI:
アハハハ(笑)

山口:
吉田さんは役者としての先生みたいな人はいるんですか?

吉田:
僕はシェークスピアシアターの出口典雄さんと蜷川幸雄さん。
この2人は間違いなく先生ですね。

MEGUMI:
何年ぐらい蜷川幸雄さんと一緒にやられていたんですか?

吉田:
20年以上。

MEGUMI:
すごい!宝物ですね、その時間は。

吉田:
大変だったですけどね。

山口:
MEGUMIさんはこの業界の先生とかいるんですか?

MEGUMI:
私、15年くらい前は本当に仕事がなかったんですよ。
バラエティーをやりすぎて演じる仕事が全くなかったので、(演技の)先生を3人くらいつけて台本の読み方、泣き方とかを習いました。

吉田:
そうなんだ!へ~!

MEGUMI:
メソッドの先生とか、昔から日本の演劇をやっている先生とかにひたすら習って。
「今日は泣け~!」みたいな稽古とか(笑)
今もやっていますね。

吉田:
それは実になるんですか?

MEGUMI:
日本の芸能界って「はい、出ろ~」みたいな感じで急にドラマに出て、まぐれ的にちょっとできたら「いいね!」って仕事が増えたりすることがある。
それが怖かったんですよ。
「何の軸もないのに、こうやって仕事があっていいのかな…」っていうのがずっと苦しかった。

吉田:
それは正しい感じ方だよね。絶対そう思うよね。

MEGUMI:
思うんです!
何もないのに評価されているのが怖いというのがあった。
演技を習うと、別にそれに忠実にしなくても基礎が自分の中にあるということで安心する。

だって毎回、就職先の社長が変わるみたいなものじゃないですか。
撮影現場って(作品ごとに)毎回違う演出家のところで、パッと対応しながら自分のアイデンティティーを発揮しないといけないとなると、自分のコアがないとできないかなと思う。

吉田:
絶対にそうですよね。

MEGUMI:
舞台をやっている方と共演すると「ヤバイ…すごい」って思うんですよ。
「とんでもない引き出しと、馬力が怖っ」てずっと思っていたので。

吉田:
アメリカとかイギリスの役者さんは、ほぼみんな演劇学校だったりを出ているからね。

MEGUMI:
そうですよね!
韓国の役者さんもみんな(演技の勉強を)やっている。
日本はそういうカルチャーがちょっとずつは増えてきましたけど、あまりないから。

(『ボクらの時代』 2024年6月23日放送より)

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