精華女子が九州チャンピオン 残り5秒で清藤優衣主将が決勝点 2連覇にも「日本一には近づいていない」【全九州高校バスケ女子】

激戦を制し歓喜の輪を作る精華女子のメンバー

◆全九州高校バスケットボール大会女子決勝 精華女子(福岡)76―72小林(宮崎)(16日、薩摩川内市・サンアリーナ川内)

精華女子が小林との激戦を制し、2大会連続5度目の優勝を飾った。

残り45秒2で同点の3点シュートを決められ72―72。残り5秒。ボールを託されたエースの清藤優衣主将は1度はボールに手をかけながらキープし、左手で決勝のフックシュートを決めた。「自分をコントロールできて落ち着いていた。気持ちで決めきりました」。タイムアウト明けの守備ではガードの米森奈々心がスローインをカットして、そのまま追加点。歓喜の輪を作った。

「苦しかった」と大上晴司監督が声を絞り出したのも無理はない。16―2と好スタートを切った第1クオーター(Q)残り4分。ポイントガードの中釜光来(3年)が負傷交代した。第3Qは53―39で折り返したが、小林のオールコートプレスと運動量に徐々に猛追を受けた。「中釜がいない状況を想定してなかったので、対応が遅れてしまった」と清藤は振り返る。全員でボールをつないで運び、清藤は終盤に7得点。リードは許さなかった。

司令塔不在の中、チームに貢献したのが宮崎陽向(3年)。スピードを生かしたドライブでファウルをもらい、フリースローで得点を重ねた。タイムアウトでシュートセレクションを改善するよう指示を出したという大上監督は「任せっきりだった子が『自分がやらないと』と自覚を持ってくれた」とたたえた。

地元・福岡で開催されるインターハイを見据え、優勝を目指してチームづくりを進めてきた。この日も会場には「日本一」の横断幕を掲げていた。埼玉県出身の清藤もこの目標にひかれて精華女子に入学した。昨夏は8強に終わっている。「シードを取ることは達成できたけど、内容は日本一には全然近づいていない。もっとやらないと」と気を引き締めた。

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