京都・南丹の小学校が「読書」で文部大臣表彰 5、6年生の図書委員、地道な努力実る

本を読んでもらうための取り組みを話し合う八木東小の図書委員たち(南丹市八木町)

 京都府南丹市八木町の八木東小が「子供の読書活動優秀実践校」の文部科学大臣表彰を受けた。図書委員が話し合って購入図書を決めたり、本を紹介する新聞を手作りしたり、みんなを図書室に呼び込む方法を児童が中心となって工夫していることが評価された。

 表彰は全国の小中高などが対象で小学校は65校が選ばれ、府内では3校が表彰された。

 八木東小では5、6年の図書委員8人が図書室に月1回集まり、読書に親しめる場づくりへ知恵を出し合う。

 5月の集まりでは、5年生が「人気の漫画を購入したら」と提案すると、6年生が「予算が限られているので、なぜ、その漫画を入れるのかを考えないと」と、優しく再考を促した。

 出版社や書店の推薦本を手に取ることができる催しが開かれた後に「アンケートを取って決める」などの案も次々に出た。

 スマホなどの普及で読書時間が減っているといわれる中、八木東小では全校児童が毎朝10分間の読書をする時間を設けている。図書室では、リラックスして読書ができるように寝転がることもできる畳のスペースも2年前に新設された。

 図書委員は、お薦めの本や感想をまとめた新聞を年2回発行し、校内で掲示したり、朝会で紹介する。

 委員長の川勝日向さん(11)は「みんなが(新聞を)読んで、少しでも本を手に取ってくれたら」と願う。

 本のカバーを再利用して、しおりを手作りし、新1年生にプレゼントするなど、地道な活動を続けている。

1年生にプレゼントするしおり作りに用いる本のカバーを選ぶ児童たち

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