安納サオリはワンダー王座流出に茫然自失、ワールド王者・舞華はV5で仲間との絆強める【スターダム】

スターダムのビッグマッチ「STARDOM THE CONVERSION」が22日、東京・国立代々木競技場第二体育館で行われ、団体の2大ベルトで明暗が分かれた。ワンダー王者の安納サオリはセンダイガールズ(仙女)の岩田美香に敗れ、他団体への流出を許した。ワールド王者の舞華はジーナとの同門対決を制し、5度目の防衛を果たした。

レスラーとして、最後の意地すら見せられなかった。4度目の防衛に失敗した安納は呆然とうなだれた。岩田から7・15仙女後楽園大会での初防衛戦の相手に指名されても、盟友のなつぽいから促されても一言も発せられなかった。放心状態でノーコメントのまま会場から姿を消した。

若手時代からの因縁決着を求めて指名した岩田戦。ポテリング、タンタンドルと得意技で攻め立てるも、相手の蹴り技で勢いを止められ徐々に失速。21分8秒、頭部へのキック連発に続く雷音(変型パイルドライバー)からの片エビ固めで3カウントを許した。

岩田から「おい安納、決着着いちゃったよ。でも安納サオリのわがまま、これじゃゴールできないだろ?おい、なんとか言ってみろ安納」と仙女大会でのリターンマッチを要求されたが無言。リングインしたなつぽいにマイクを向けられても放心状態は続き、ネガティブな言葉をつぶやいたのか「今なんて言った?そんな言葉聞きたくないんだよ!悔しくて涙出そうだよ!行くよね?もう一回行くでしょ?」と迫られても無言のままだ。岩田はバックステージで改めて安納との再戦を要求し、センダイガールズワールドシングル王者として「手ぶらでは(仙女に)帰れなかったですね」という覚悟を明かした。

舞華はジーナとのE neXus V(イー・ネクサス・ヴィー=EXV)同門対決を制し、5度目の防衛に成功。22分27秒、変形みちのくドライバーⅡからの片エビ固めで決着した。ジーナの激しいチョップで胸が腫れ上がり、場外ではマットを外してのブレーンバスター、エプロンでのパワースラムなどに苦しめられた。それでも相手の攻撃を受け切った上でねじ伏せる、王者の風格を漂わせた防衛劇だった。

試合後は刀羅ナツコ、古巣JTOで同期のだった稲葉ともかから挑戦を要求され、まずはJTOの7・15後楽園大会で稲葉との防衛戦を約束した舞華。同門ながら不穏な関係性に陥っていたジーナとも、試合後は互いに尊敬の気持ちを口にし、信頼関係を回復させた。

舞華は「ジーナの考えていることが分かった。1対1でやり合って、ジーナの考えが体にしみ込んできました。そして、ともか。私がスターダムのチャンピオンとしてJTOに帰ってきます。その後で(刀羅)ナツコをひねりつぶす」と言い切った。

王座陥落だけではない失態を見せた安納。防衛に加えて、仲間との絆を深めた舞華。対照的な赤と白のタイトルマッチとなった。

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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