渡部建の地上波“完全復活”はまだ先か…今後「絶対にやってはいけないこと」を識者が指摘

渡部建(C)日刊ゲンダイ

お笑いコンビ「アンジャッシュ」の渡部建(51)が6月21日放送の「5時に夢中!」(TOKYO MX)に出演した。

渡部といえば、2020年6月11日発売の「週刊文春」に多目的トイレ不倫を報道され、1年7カ月にわたって芸能活動を自粛。22年2月に「白黒アンジャッシュ」(チバテレ)にて関東ローカルで地上波テレビへの復帰を果たし、23年12月には「全力! 脱力タイムス」(フジテレビ系)で覆面姿ながら全国放送にカムバックしていたが、これらはいずれも収録番組であり、渡部が地上波テレビの生放送番組に出演するのは騒動以降、初めてだ。

今後順調にいけば、次は恐らく地上波テレビの全国生放送が、本人にとって新たな節目となるだろう。恐らくその後は、ローカルや全国放送における司会業を務めることで、ようやく“完全復活”になるはずだ。

騒動勃発直前まで、渡部は関東などで生放送されている情報番組「王様のブランチ」(TBS系=毎週土曜日)で司会を務めていたほか、全国放送かつ生番組としては「FNS歌謡祭」(2018年まで)や「FNSうたの夏祭り」(2019年まで)でも司会を務めていた。

そのためか、21日に「5時に夢中!」に出演した際には、番組司会でフリーアナウンサーの垣花正(52)から、「『王様のブランチ』の男性MCが空席になっているが、番組側が待っているのでは?」と聞かれると、「待ってるわけねーだろ!」「こんな悲しいツッコミさせないでくださいよ。ご迷惑かけましたけど、さすがに戻ろうなんておこがましい気持ちはないです」と謙虚に口にしていた。

■司会者に戻れるかは、視聴者が決める

確かに、同じ番組には戻れないかもしれない。しかし、そうは言っても渡部ともあろうベテランがいつまでも司会に戻れないなどということは考えにくい。同志社女子大学でメディアエンターテインメントを研究する影山貴彦教授は、渡部が今後テレビ番組で司会を務めるとした場合、それが可能になるのは「本人が司会を務めることを視聴者が許した場合であり、それがいつになるのかは、やはり視聴者が決めることです」と指摘する。

「番組作りで絶対にやってはいけないこと、それは、『視聴者をバカにすること』です。これは、当然ながらその意図がなくても『そのように見えるだけ』でアウトです。今後は番組出演中に刺激的なギャグを放つといった、少し前までは炎上してしまうことも、通常の仕事としてやっていく場合も出てくるかもしれませんが、当面の世論は『渡部をもう許してやれ』という意見と、『やっぱり渡部は見たくない!』という意見が拮抗したものになるでしょう」(影山氏)

併せて「スポンサーからも許されること」が、今後の司会業への復帰を含め、渡部の活動に勢いが出るか否かの分水嶺だと語る。これらの条件が揃うのは相当先のことになるだろうと予想する影山氏は、渡部が今後気をつけなければならない点について語った。

「2022年の11月に、渡部さんは著書『超一流の会話力』を出版しました。この時点で渡部さんはすでに謝罪会見を行った後であり、『白黒アンジャッシュ』に復帰もしていましたが、この時の世論はまだ渡部さんに厳しいものでした。そのような中での出版は、視聴者の目には『渡部が復帰を急いでいる』と映ってしまい、本格的な復帰を遅らせてしまいました。今後、ご本人がさらなる活躍を望むのであれば、その都度、『失地回復を急いでいる』という印象を視聴者に持たれないようにすることです」

騒動後初の生放送に対しては「謙虚な渡部で頑張ってほしい」という意見がネットに上がるなど、とりあえずは無難にこなしたと言えそうな「新生・渡部建」。今後、一切のスケベ心は「厳禁」ということか。

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