【酒飲みの新常識】不思議なことに酔いやすい「昼飲み」楽しむコツはお酒の順番

酒飲みなら昼飲みの魅力にはあらがえない

週末、何の予定もないとしたくなるのが昼酒。いや、週末でなくとも主婦の友人は、「日本昼酒協会」(通称・NHK)を主催し、夫のいぬ間に昼酒を楽しんでいる。

明るいうちから飲む昼酒は、むしろ夜に飲むよりもおいしいと感じる。だが、不思議なことに昼酒は酔いのペースが速いような気がしてならない。これには諸説あり、昼間は交感神経が優位で、体全体が活発に動いていることから酔いが早く回るという説が有力とされていた。

だが、それよりも有力なのが、酒を分解する酵素の量。酒は体に入るとアルコール分解酵素によってアセトアルデヒドに分解され、アセトアルデヒドはアセトアルデヒド脱水素酵素によって酢酸、そして最終的に二酸化炭素と水に分解される。この酵素、何と昼間よりも夜のほうが、量が多く分泌されるというのだ。それ故に、酔いやすい昼は夜以上に気をつけなければならないということになる。これは確かに合点がいく。

合点はいくが、だからといって昼酒を止めるというワケではない。開放的なレストランでランチを食べながら飲むビールは最高だし、赤羽でおでんをアテに出汁割りを飲む朝酒もステキ過ぎる。では、昼酒はどうやって楽しめばいいのだろう?答えはカンタン。空腹状態を避け、度数の低い酒からスタートすればいいのだ。

酵素の量が少ない上に、日本酒や焼酎といった度数の高い酒をいきなり飲むと、血中アルコール濃度が急激に上がってしまい、アルコールの分解が追い付かなくなる。ハイボールやサワーといった度数が5%前後のものを極力スローペースで飲み、腹が膨れた頃、日本酒や焼酎に鞍替えすればいい。酔いが回ると、度数の高い酒の刺激が恋しくなるが、あまり早くに手を出してしまうと酔いだけでなく、終了時間も早まってしまう。背徳感を味わいつつ、優雅に昼酒を楽しみたいなら、慌てないことだ。

と言いつつ、今日はパスタとともに度数の高いスパークリングワインを昼から飲み、ゴキゲンになってしまった。しかもオンラインミーティング前に。どうか酔っていたことが相手にバレていませんように。

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