真っ赤な「うちわ」に厄よけ願う 坂越の大避神社が30日に「輪越祭」 兵庫・赤穂

魔よけを意味する赤のうちわに宮司が文字を入れていく=赤穂市坂越

 兵庫県赤穂市坂越の大避神社で30日に開かれる「輪越祭(わこしまつり)」に向け、真っ赤な「祓(はらい)うちわ」が製作されている。地域住民の幸せや健康を願い、宮司が「大祓(おおはらい)」や「祓」の文字を1枚ずつ書でしたためていく。

 かやを編んでできた輪をくぐり、半年間の罪やけがれを払うという輪越祭。住民らが赤いうちわを手に参拝する光景が、地元の夏の風物詩となっている。

 うちわは、魔よけの色とされる赤の紙を竹の骨組みに貼って作る。社務所で保管され、生浪島尭(いなみじまたかし)宮司(80)が、中央あたりに丹念に墨書して完成する。「大祓」と書かれた柄が太い京うちわ(幅約28センチ)と、「祓」と書かれた小さめの竹うちわ(同約23センチ)の2種類があり、計400枚を用意する。

 生浪島宮司は「世界が平和になることと、みなさんの健康を願いながら文字を入れている。遠慮なくうちわとして使って自然の風を感じてほしい」と話した。

 販売は29日から7月半ばまで。京うちわ1700円、竹うちわ700円。電話でも予約でき、送料実費で郵送も可能。輪越祭の大祓式は、午後5~8時に、1時間ごとに実施する。大避神社TEL0791.48.8136(小谷千穂)

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