将棋界に衝撃事件!山本博志五段、藤井聡太竜王・名人、羽生善治九段を同日に下す“ダブル大金星”本人が一番びっくり「驚きました」/将棋・ABEMAトーナメント2024

今後、起きるかわからない衝撃的な“事件”だ。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」予選Cリーグ第2試合、チーム藤井 対 チーム天彦の模様が6月22日に放送された。自ら立候補しチーム天彦のメンバーとして大会初参加を果たした山本博志五段(27)が、藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、21)と羽生善治九段(53)を相手に、同日に両者を下すという将棋界を揺るがす“ダブル大金星”を果たした。

【映像】山本博志五段、藤井聡太竜王・名人にも圧勝の瞬間

三間飛車の棋士人生をかけた男が、プロ入り後、一番輝いたと言っていい日だろう。尊敬する佐藤九段にドラフトでの指名を願い出て、これを受け入れてもらった山本五段。またとないチャンスをもらい、緊張しながら自身1戦目となった第2局に登場したが、相手は将棋界のスーパーレジェンド羽生九段。練習将棋を含めても一局も指したことがない大先輩に対して、先手番から迷うこと三間飛車にすると、なんと羽生九段も向かい飛車を採用する、相振り飛車で始まった。

解説を務めていた佐藤和俊七段(46)は「見慣れない対策。これは羽生九段も用意の作戦」と指摘したが、これを見たチーム天彦・斎藤明日斗五段(25)は「実はこれ、結構指したんですよ。練習が活きますね」とニッコリ。斎藤五段のコメント通り、山本五段の指し手には迷いがなく6筋、7筋に戦力を集中。道中、▲6三歩成という手が刺さり、大きく形勢でリードすると、羽生九段の粘りを許さず91手で快勝。後輩であれば、誰もが一度は憧れるというほどのレジェンドに初手合で初勝利し、大きな自信を手にした。

第4局ではお互いをよく知る青嶋未来六段(29)の前に敗れたが、大金星はもう1つ待っていた。第6局、今度は史上初の八冠独占を果たした藤井竜王・名人が相手。お互い三段時代にリーグ戦で対戦経験があるが、今や相手は天上人。戦前から「なんか怖いですね。変わり過ぎていて…」とこぼすほどのプレッシャーを感じていた。

それでも盤に向かい、またも先手番から三間飛車を指し始めた後は、のびのびと突き進んだ。じりじりとした中盤を抜け出た後、山本五段の積極的な手が功を奏し、がっちりと堅いと思われた藤井陣の美濃囲いを瞬時に攻略。ばっさりと斬って落とすような99手の快勝劇だった。

チームはスコア2-5で敗れたものの、その2勝分は山本五段がもぎ取り、その相手は藤井竜王・名人と羽生九段。公式戦でも1日で2局指す棋戦は限られており、ましてやこの2人と同日に指し、両方に勝つというケースは、今後出てくるかもわからないというほどの衝撃展開だ。試合後、山本五段自ら「驚きました」と笑っていたが、視聴者からは「すごいものを見た」「羽生、藤井撃破とか強すぎ」「羽生藤井抜きはロマン過ぎる」「地球防衛軍入り!」と驚きと絶賛の言葉がずらり。1日にして「山本博志」の名は、強く大きく世間に広まったことだろう。

◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

© ABEMA