錦織圭、ウインブルドン前哨戦「ロスシー国際」での対戦相手は今季急上昇中の世界29位ナボーネに決定<SMASH>

開幕まで1週間と迫ったテニス四大大会の「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン)。その前哨戦である「ロスシー国際」(6月24日~29日/イギリス・イーストボーン/芝/ATP250)へ出場を予定している錦織圭(世界ランキング400位)は、初戦でマリアノ・ナボーネ(アルゼンチン/同29位)と対戦することになった。

今大会第6シードとなるナボーネは、今年1月に地元ブエノスアイレスのチャレンジャー(下部ツアー)で準優勝すると、2月のリオデジャネイロ(ブラジル/ATP500)とブカレスト(ルーマニア/ATP250)のツアー2大会で準優勝。さらに4月のカリアリ(イタリア)のチャレンジャーでは今季初タイトルを手にした。いずれの大会もクレーコートでの成績だが、これにより今季125位でスタートさせた順位を29位まで急上昇させた勢いのある23歳。錦織との対戦はこれが初めてとなる。

ロスシー国際にはプロテクトランキング(負傷離脱前の順位でエントリーできる救済措置)48位を活用して出場する錦織。芝のコートで試合をするのは実に21年のウインブルドン以来である。

5月の全仏オープンでは右肩の痛みを理由に2回戦途中で棄権を余技なくされ、その後に予定されていた芝コートでの大会「テラ・ウォルトマン・オープン」(ドイツ・ハーレ)を欠場。そのコンディションが心配されたが、今月18日には自身のX(@keinishikori)を更新して「ロスシー国際」に向かうことを表明。さらには味の素ナショナルトレーニングセンターでの練習動画を公開。そこではサービスやリターンから始まり、軽快なステップで前後左右に走りながら力強いストロークを打つ姿が見られた。
そして「一生懸命練習して、木曜日にイーストボーンに行くのが楽しみです」と思いを綴っていた錦織は21日、今度は「Back on the grass!」(芝生に戻ってきました!)のメッセージとともに芝のコートでストロークを繰り返す姿も公開。大会に向けて着々と準備が進んでいることを示した。

粘土と細かい砂を混合した土で表面を覆ったクレーコートは、バウンドした後の球足が遅くなるので打ち合う時間が長くなりやすいのが特徴。一方、表面が芝のコートはボールがあまり弾まず球足も速くなる。こうした特性の違いにより多くの選手がクレーシーズンから芝シーズンへの移行に苦労する。

全仏オープンでは「テニスはけっこう良かった。この1~2カ月は、だいぶ自信をなくしていたのが、トップの選手と練習ができて、やれるなっていうのも感じて。緊張の中、ある程度試合もできていたので、収穫はすごいありました」と語っていた錦織。果たして約3年ぶりとなる芝のコートではどんな戦いを披露してくれるのか、注目が集まる。

構成●スマッシュ編集部

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