高校卒業から30歳の今までずっとフリーターです。収入の安定する“正社員”に今からなることは可能ですか?

アルバイトで居続けることのリスク

年齢が上がってもアルバイトで居続けることには、次のようなリスクが伴います。

__・長く働いても収入が上がりにくい
・勤務先の退職金制度や財形制度などが適用されにくい__

正社員で働くことの方がメリットは多く、将来的なことを考えてもアルバイトのままでは不安が残ります。

しかし、気になるのはアルバイト経験しかない30代でも、企業側は採用する意思があるのかどうかでしょう。

採用時企業はフリーターかどうかを気にしている?

厚生労働省の「平成30年若年者雇用実態調査」では、企業に対し採用時フリーターであったことをどのように評価するかとのアンケートを行っています。

その結果「プラスに評価する」と答えた企業(対象年齢15~34歳の場合)は3.1%に留まったものの「マイナスに評価する」は13.5%、「評価にほとんど影響しない」と返答した企業は68.1%と、気にしない企業が圧倒的に多い数字となりました。

一方で、少なからずフリーター経験も評価に値すると考えている企業もあることが分かります。

さらに、フリーターを正社員として採用した企業(対象年齢15~34歳の場合)は84.5%に及びます。重視した点としては「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」が最も多く、ほかには「コミュニケーション能力」「マナー・社会常識」などを重視している企業が半数ほどの割合で見られました。

フリーター期間の長さは就職に影響するのか

フリーターかどうかを気にしない企業は多いものの、フリーターであった期間が長くなればなるほど、正社員になれる割合は減っていきます。労働政策研究・研修機構の「労働政策研究報告書労働政策研究報告書」を基に、フリーターの期間と正社員になれた割合を表1にまとめました。

表1

※労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書労働政策研究報告書」を基に筆者作成

長期間アルバイトをして過ごしていた方が正社員として採用されるためには、しっかりと戦略をたてて就職先を探す必要がありそうです。

30歳フリーターが正社員を目指すコツ

高校卒業後から30歳までアルバイトをしている方は、10年以上のフリーター期間があります。就職活動中の面接では、長期間フリーター生活をしていた理由を聞かれる可能性があるでしょう。ほかにも、次の3つのポイントを意識してみましょう。

職歴の有無が関係ない求人に応募する

職歴の有無を問われない求人に応募しましょう。

このような求人は、やる気や人柄などを重視して採用していることもあります。企業分析や自己分析をして、自身の強みなどを明確に答えられるようにしておくとよいでしょう。

正社員登用制度を狙う

正社員登用制度を狙う方法もあります。時間はかかりますが、正社員登用制度を取り入れている会社にアルバイトとして入社し、正社員を目指せます。アルバイトでも気を抜かず、正社員として採用したいと思ってもらえるように仕事をしましょう。

資格やスキルを修得する

資格やスキルの修得が、就職活動に役立つこともあります。例えば、運送業界を目指すなら大型免許を取得するなど、目指す業界に関連する資格がおすすめです。

また、公務員試験を受けることも考えてみるとよいでしょう。公務員試験では、高校卒業程度の募集枠を設けていることがあります。

ただし年齢制限がある募集もあるため、注意が必要です。

高卒で30歳までアルバイトをしていても正社員は目指せる

正社員になることで、アルバイトと比べ将来的なリスクを減らせます。高校を卒業して30歳までアルバイトをしていた人でも、正社員を目指すことは可能です。

ただし、フリーター期間が長くなればなるほど、採用されにくくなることも事実です。正社員を目指すために、採用率の高そうな求人に絞って就職活動をしましょう。

出典

厚生労働省 平成30年 若年者雇用実態調査結果の概要(2)フリーターであったことの評価 表11 年齢層、フリーターの評価別事業所割合、(3)フリーターを正社員として採用する際に重視した点 表12 年齢層、フリーターを正社員として採用するにあたり重視した事項別事業所割合
労働政策研究・研修機構 労働政策研究報告書労働政策研究報告書

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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