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住居侵入罪が科される可能性は低い
住居侵入罪は、正当な理由が存在しないにもかかわらず、勝手に他人の住居などに侵入した場合に成立します。そのため、子どもがボールを取りに少しだけ敷地に侵入した程度では、住居侵入罪として扱われないケースがほとんどです。
ただし、成立するケースが少ないだけで、状況によっては住居侵入罪が適用されることはあります。例えば、何度も住人に注意を受けているにもかかわらず、無断で侵入を継続していた場合、悪質性が高いと判断され、住居侵入罪が成立する可能性が高いでしょう。
子どもの年齢によっては刑罰を受けない?
住居侵入罪が成立した場合、3年以下の懲役、または10万円以下の罰金を科されますが、実際に刑罰を受けるかどうかは子どもの年齢によって変わるようです。
住居侵入罪に限らない話ですが、刑法41条では、14歳に満たない者の行為は罰しないと定められています。そのため、子どもの年齢が14歳未満の場合は、刑事手続きでの処罰は求められません。
ただし、刑事手続きができないだけで、民事上の責任を追及される可能性は残されています。
そのほかに注意したい法律トラブル
子どものボール遊びで起こるトラブルは、住居侵入罪だけとは限りません。子どもにボール遊びをさせる際は、次のようなトラブルを発生させないように注意しましょう。
器物破損
子どもがボール遊びをし、他人の敷地内にある設備や道具を壊した場合、刑法261条の器物損壊罪に該当する可能性があります。器物損壊罪が成立した場合は3年以下の懲役、または30万円以下の罰金、もしくは科料が科されます。
基本的には故意にものを壊した場合に成立する罪であって、偶然ボールが他人の敷地内に入った結果ものを壊した場合は、罪に問われないケースがほとんどです。
ただし、過失によって壊してしまったものでも、民事上の損害賠償責任は発生する点に注意しましょう。
傷害
他人の住宅にボールが入ったことで住人にけがをさせてしまった場合、刑法204条の傷害罪、または刑法209条の過失傷害罪に問われる可能性があります。
傷害罪が成立した場合は15年以下の懲役、または50万円以下の罰金、過失傷害罪が成立した場合は30万円以下の罰金、または科料が科されます。
状況や子どもの年齢によっては、ボール遊びが大きなトラブルに発展する可能性がある
他人の家の敷地内に入ったボールを子どもが無断で取りに行ったとしても、そこに悪意がなければ住居侵入罪が適用されるケースは、ほとんどありません。しかし、たとえ罪に問われなくとも、無断で敷地内に侵入された側はよい気持ちにはなりませんし、そこから大きなトラブルに発展する可能性もあります。
万一他人の敷地内にボールが入ったら、無断で侵入せずきちんと許可をもらって敷地内に入るか、もしくはボールを取ってもらうように子どもに言い聞かせることが大事です。
出典
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー