バングラデシュ北東部で大規模洪水、180万人が孤立

子どもを抱えて洪水に見舞われた家屋の前に立つ母親=20日、バングラデシュ・シレット/Salahuddin Paulash/Drik/Getty Images

(CNN) バングラデシュ北東部で数週間前から大雨が続き、大規模な洪水が発生している。国営メディアと人権団体によると、約180万人の住民が孤立し、家屋や農地に大きな被害が出た。

国営通信社が22日に伝えた現地の映像には、北東部の都市シレットやその近郊の街スナマンジが水没した光景が映っている。この地域では約1カ月前にも洪水が起きたばかり。

現地メディアは先週、上流のインド国境付近で続く大雨により、4本の川が危険水位を超えたと伝えていた。

最も甚大な被害を受けた低地の村では、住民らが胸まで泥水につかりながら、家財道具を守ろうと高く積み上げる場面がみられた。孤立した住民らの食料や飲み水が不足する事態も懸念される。

被災者はシレットで96万4000人、スナマンジで79万2000人に達し、6000カ所に避難所が設けられた。

ユニセフ(国連児童基金)は21日、現地で77万2000人の子どもたちが緊急支援を必要としていると訴えた。800校を超える学校が浸水し、500校あまりが避難所に使われているという。

この地域は先月末、同国とインド南部を襲ったサイクロンでも甚大な被害を受けていた。

バングラデシュ南部でも最近、大雨による被害が出ている。19日には隣国ミャンマーから逃れた少数派イスラム教徒ロヒンギャの難民キャンプが土砂崩れと大雨に見舞われ、少なくとも10人が死亡した。

隣接するインド北東部アッサム州でも土砂崩れと豪雨により、先月29日以降で少なくとも31人が死亡している。

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