吉川茉優[ライブレポート]ソロアーティストとしての成長を見せつけた2周年記念ワンマン「大事なことをずっと忘れずに、どんどん上を目指していきたい」

吉川茉優[ライブレポート]ソロアーティストとしての成長を見せつけた2周年記念ワンマン「大事なことをずっと忘れずに、どんどん上を目指していきたい」

吉川茉優が、6月22日(土)に東京・六本木BIGHOUSEでソロデビュー2周年を記念したワンマンライブ<吉川茉優 2nd Anniversary LIVE 「祝祝」>を開催した。

吉川は、2022年5月にアップアップガールズ(2)を卒業しソロアーティストとして活動をスタート。自ら作詞を手がけた楽曲の発表やライブ活動、地元秋田での活動も行なうなど着実にソロでのキャリアを重ねてきた。これまでのソロ第1章をまとめるように、吉川は6月26日(水)に初のソロアルバム『また君に恋をする』をリリースする。今回の2周年ライブでは、アルバムからの楽曲を多数披露。新曲「愛はさ」を初披露するなど、吉川の“今”がたっぷりのステージがくり広げられた。

本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。

大勢のファンが会場に集まる中、ゲストであるお笑いトリオ・ななめ45°の土谷隼人がオープニングDJを務め、フロアの盛り上がりを作っていく。DJタイムが終わると、白と赤を基調としたキュートな衣装の吉川がステージに登場。彼女は、「わたしだってドリーミングガール」から弾けるようにライブをスタートする。続けて吉川は、温かいメロディのミディアムナンバー「雪時計」を歌とラップを交えて歌唱。そして、何気ない日常の中にある恋の想いを描いた「甘雨」をゆったりとしたボーカルで届ける。終始笑顔の吉川は、にこやかに自分のペースで会場のテンションを盛り上げていった。

MCタイムで自己紹介した吉川は、“みなさん、今日は<2nd Anniversary LIVE 「祝祝」>お越しいただきありがとうございます! そして自分、2周年おめでとう!”と声を上げ、観客も“おめでとー!”とお祝いの言葉を送る。続けて彼女は、1stアルバム『また君に恋をする』について語っていった。“私の念願の1stアルバム『また君に恋をする』なんですが、全13曲収録されていて、これまでの楽曲から新曲もあって、ホントに自信のある1枚になってます。アルバムタイトルが『また君に恋をする』なんですが、私はアーティストに転身して2周年で、その前はずっとアイドルをしてました。アイドルの時の私を好きだった人に、アーティストになったまーちゃん(吉川)をまた好きになってほしいなって想いを込めてこのタイトルをつけたところもあります。そして、アルバムや今日のライブを通じて、最近知ってくださった方にはもっと私のことを好きになってほしいし、前から知ってる人には私の新たな魅力を見つけてほしいなと思います!”と、アルバムもライブも吉川の魅力が満載であることを伝えた。

ライブに戻ると、吉川は初めて男性目線で歌詞を書いたという心地いいメロディのポップソング「言えないリクエスト」を披露する。曲中には歌詞に出てくる風船を実際に手にし、曲終わりには観客にプレゼントするというシーンも見られた。そして吉川は、ラテンフレイバーの「TRIP」を歌唱し、まもなく訪れる夏のムードをライブでいち早く届けた。

MCコーナーで、吉川はこれまでのキャリアについて語っていく。“私はソロデビューしてからは2周年なんですけど、芸能界に入ってからはもう13年近く経つんです。今26歳になったので、人生の半分はステージに立つお仕事をさせてもらってます。上京してからはもう8年くらい経ちました。ホントに、あっという間に感じます。でも、最初は私はまったくアイドルになりたいとかは思ってなかったんですよ。たまたま地元の秋田のpramoってアイドルグループに1期メンバーとして入ることになったんです。でも活動していく中で「アイドルが好きだな」って想いが強くなっていきました。それで高い志を抱いて高校3年の時に上京しようとして、今の事務所のヤムのオーディションを受けてアップアップガールズ(2)のメンバーになったんです。アップアップガールズ(2)の時は毎日忙してく大変だったけど、全部が楽しかったし、たくさんの夢を叶えさせてもらいました。そんな中で新しい目標ができたんです。「もっと自分は歌を歌っていきたいな」「みんなの前で長くステージ歌っていきたいな」って想いになって、今こうしてソロでステージに立たせてもらってます。私は、アイドル時代から応援してくれてる方が、アーティストになっても応援してくれてるっていうのがすごい嬉しいんです。こういう自分の夢を追いかけさせてくれる事務所、スタッフさん、支えてくれる方に感謝だなって思います。そして、地元の秋田でもお仕事をさせてもらってるんですけど、ホントにみなさん温かいんですよ。ホントに感謝だなって思いますね。私もソロで3年目を迎えますので、今こうして応援してくださってるみなさんと、これからもっといい景色を見ていきたいし、秋田にも、東京で出会った方にもたくさん恩返しできるように頑張っていきます!”と、感謝とこれからの想いを伝えた。

そうした彼女のこれまでを、ライブでも振り返るゾーンに突入する。地元秋田の名物をラップしまくる「BABAHERA」を投下し、アップアップガールズ(2)の「starry wink*」をマイクスタンドでエモーショナルに歌唱。さらに、事務所の先輩である吉川友とコラボし“吉川友と吉川茉優”名義でリリースした「Unfamiliar」で東京で生活していく想いを歌にして届けた。

吉川がステージを捌けると、オープニングに続いてななめ45°の土谷隼人のDJタイムが始まる。吉川の話にも出た秋田のpramo時代の楽曲、アップアップガールズ(2)の楽曲などがプレイされ、観客もノリノリ。つんく♂の手がけた「Be lonely together」がかかると吉川がステージに飛び出し、歌とダンスを交えてフロアをブチアゲた。

DJタイムの流れのまま、吉川はエレクトロニックなダンスチューン「ユメノツヅキ」をドロップ。しなやかなボーカルと長身を活かしたダンスで観客を魅了する。さらにライブの熱量を上げるように、彼女は「お前の上でダンスを踊る」を披露。熱いロックナンバーで会場をますますヒートアップさせた。

気づけばライブも後半戦。勢いの上がる吉川は、綺麗なメロディが光る「黄色」を歌唱。続けて、弾けるようなサマーチューン「夏兎」で観客とともにタオル回し盛り上がる。そして、ギターサウンドが炸裂する「love rescue」を投下すると、観客と手を挙げ一体感を作りライブのボルテージをさらに高めた。

“みなさん楽しんでますかー!”とMCタイムになっても絶好調な吉川は、ここで3年目のソロ活動への想いを語っていく。“ソロになっての3年目は、いろんなことに挑戦する年にしようかなって思ってます。13年もこの世界にいたら「新しくチャレンジすることってそんなにないんじゃないかな?」と思ったり、「新しく挑戦するのが怖いな」って思う自分がいたんです。でも今度初めて舞台に出演させていただくんですけど、そうやってどんどん強い気持ちでいろんなことに挑戦するべきだなって最近すごく思いました。これからたくさんの挑戦を積み重ねていって、もっと新しい層の人や、まだ私のことを知らない人に私を知っていただけたらなって思ってます。今回アルバムも作らせてもらったので、それをきっかけに3年目のいいスタートを切っていきたいなと思ってます。私は、みなさん1人ひとりに、私がどういう表情や気持ちで歌ってるのかがしっかり伝わるライブって空間もすごく大好きなんです。こうした大事なことをずっと忘れずに、どんどん上を目指していきたいです。みなさんにもっと楽しい歌だったりライブだったり、いいものを届けられるように頑張りたいなと思いますので、これからも吉川茉優の応援をよろしくお願いします!”と、前向きな想いを語ると、観客から大きな拍手が送られた。

そして吉川は、“歌うたびにいろんな気持ちを思い出させてくれる、私にとって大切な曲”という「恋藍」を歌唱する。切なくも熱い恋の想いを伝えるボーカルは、感情の昂りがリアルに響くほどの説得力を帯びていた。

ライブのラストナンバーは、この日初披露となる新曲「愛はさ」。一途な恋の想いが詰まった可愛いメロディのエレクトロポップチューンで、吉川と観客は一緒に振りを踊って盛り上がる。会場はアツアツの空間となってライブはフィニッシュとなった。

だが、観客のボルテージは収まらず強烈なアンコールの声に吉川がステージに戻る。予定のなかったリアルなアンコールで、彼女は“これから梅雨も明けて夏に向かって、気持ちを1つにしていきましょう!”と声を上げ「夏兎」を投下。タオルや拳を突き上げ、会場の一体感はさらに高まって記念すべき2周年ライブは締め括られた。

吉川は、歌唱力はもちろん、さまざまなジャンルの楽曲、ステージの見せ方など、今回のライブでソロアーティストとしての2年間の成長をしっかりと見せた。彼女は、6月26日に初ソロアルバム『また君に恋をする』をリリースし、そして8月10日(土)から下北沢『劇』小劇場で行なわれるエンタテインメント風集団 秘密兵器<白か、黒か。>で初の舞台出演するなど、期待感高まる予定が目白押し。

進化と挑戦を続ける吉川茉優のこれからの活動に注目してほしい。

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