犬は1日あたりどのくらいの散歩量が必要? 梅雨どきや暑い季節の散歩では注意したいことも|獣医師解説

飼い主さんは、愛犬の散歩を1日あたりどれくらい行っていますか? そのコに必要な散歩量を満たしていないと、さまざまな影響が出てくる可能性があるようです。

この記事では、犬が必要な1日あたりの散歩量や、散歩を怠ることのリスクなどについて、いぬのきもち獣医師相談室の山口みき先生が解説。さらに、これからの梅雨どきや暑い季節の犬の散歩の注意点について、ポイントを聞きました。

犬は1日あたりどのくらいの散歩量が必要?

引用元:いぬのきもち投稿写真ギャラリー

犬の1日あたりの散歩量は、体格や犬種のほか、年齢、犬の気質や性格によっても異なります。あくまでも目安ですが、小型犬であれば30分程度を1日2回、中型犬以上は1時間程度を1日2回以上が理想的です。

同じ犬種であっても体格差もあれば性格も異なるため、同じ時間でも十分発散できるコもいれば、まったく足りずに2倍以上の散歩時間が適していることもあるので、愛犬の性格などを踏まえて調整してください。

実際に、小型犬で1日30分散歩している犬がそのコにとっては足りておらず、問題行動につながっていたというケースは少なくありません。

散歩はしっかり歩くこと、嗅ぐことを軸とするのがよいでしょう。ボーダー・コリーやビーグルなどの運動要求量の多い犬は、歩くほかに走ったり遊ぶなどの運動を取り入れるのがよいかと思います。

犬にとって散歩をするメリットとは?

引用元:いぬのきもち投稿写真ギャラリー

散歩は、犬の心と体の健康維持に必須です。運動になるほか、嗅覚を刺激します。エネルギー発散につながり、ストレスの軽減が期待できます。

また、散歩中の飼い主さんとのコミュニケーションにより、お互いの関係性がよくなることも期待できます。家族以外の人や犬と接することで、社会性も身につくでしょう。

犬の散歩を怠ることのリスクは?

引用元:いぬのきもち投稿写真ギャラリー

犬の散歩を怠ると、下記のようなリスクが考えられます。

・ストレスがたまることでイライラしやすくなる
・吠える、噛むなどの問題行動につながる
・ほかの人や犬になれる機会が少なくなり、それらを怖がるようになる
・散歩に苦手意識を抱くようになる
・シニア犬の場合は、昼夜逆転のきっかけになることも

実際、普段の散歩量が足りていない犬の場合、「散歩時間を減らしたことで飼い主さんへの吠えや噛みつきなどの問題行動が出てきた」「破壊行動が出たり指示が通りにくくなった」という事例があります。

また、運動不足からフードの食いつきが悪くなるなどの影響が出ることもあります。

梅雨どきや、暑い季節の犬の散歩の注意点は?

引用元:いぬのきもち投稿写真ギャラリー

これからの梅雨どきの雨の日や暑い季節の犬の散歩では、通常よりも散歩量の低下が考えられるかと思います。散歩でカバーできない分は室内遊びをしたり、知育玩具を利用したりして、エネルギーを発散させてあげましょう。

なかには、どうしても外でしか排泄しないなどの理由で、雨の日でも散歩に出る必要がある犬もいるかと思います。そういうコの場合は、犬用の雨具などを利用して散歩の練習をしてみるとよいでしょう。

また、これからの暑い時期は、比較的涼しい時間帯の散歩を心がけてください。クールグッズを利用したり、水分補給や休憩をはさむことも大切です。

体調が悪いときは無理に散歩に連れ出さないなど、飼い主さんは注意して見てあげましょう。

(監修:いぬのきもち獣医師相談室 獣医師・山口みき先生)
取材・文/柴田おまめ
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿されたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
※記事の内容は2024年6月時点の情報です。

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