ピッチクロック違反でMLB初サヨナラ負け 指揮官が〝常習犯〟守護神に「彼はただ遅いだけだ」

ナショナルズのカイル・フィネガン(ロイター=USA TODAY Sports)

ピッチクロック違反でゲームセットというメジャー史上初のサヨナラ劇が22日(日本時間23日)にあった。

デンバーのクアーズ・フィールドで行われたロッキーズとナショナルズの一戦はナショナルズが7―6で1点リードし、9回裏の攻撃に突入。ナショナルズはここまで21セーブをマークしている守護神のカイル・フィネガン投手(32)を最終回のマウンドに送った。

ところが先頭から3連打を浴びて同点に追いつかれ、さらに安打を許して無死満塁に。このピンチで迎えた3番・マクマーンは2ストライクまで追い込んだが、ここから粘られてフルカウントとなった。次の投球に入る寸前に主審は「ピッチクロック違反」を宣告。ボール1個がペナルティーとして課され、4ボールで押し出し四球となり、ロッキーズは8―7でサヨナラ勝ちした。

まさかの結末にフィネガンはマウンドで信じられない表情を浮かべたが、この右腕がピッチクロック違反をしたのは今季すでに9回目という〝常習犯〟。ナショナルスのデーブ・マルティネス監督(59)は「自覚が必要だ。彼は踏みとどまることができたはずだ。彼はただ遅いだけだ。それが彼なんだ。彼はクローザーだ。彼はそれを意識しなければならない」と同じミスを繰り返す守護神に憤慨していた。

ピッチクロックは試合時間の短縮を目的に2023年シーズンより導入された。ピッチクロック違反によるサヨナラゲームはメジャーで今回が初めてとなった。

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