【F1】違反ストロールへの〝大甘処分〟が物議「戒告で済むのバカげている」「パパのお金の力」

ランス・ストロール(ロイター)

F1アストンマーティンのランス・ストロール(25)が犯した違反行為に対する〝大甘処分〟が物議を醸している。

ストロールはスペイン・グランプリ(GP)のフリー走行3回目でアタックに入ったタイミングのターン5で、コース上のルイス・ハミルトン(メルセデス)が避けるのが遅れたこともあってアタックを中止した。

激怒したストロールはその後ハミルトンに異常な幅寄せを敢行して接触。ストロールは無線でハミルトンに対して怒りもあらわにするなど騒動になった。

国際自動車連盟(FIA)はこれを問題視して事情聴取。ストロールの違反行為を認定した上で「常軌を逸したもの」としながらも「危険はなかった」と不可解な理由で厳罰を回避、戒告のみの〝大甘処分〟が下された。

このFIAの判断は波紋を呼んでおり、英メディア「GPブログ」は「物議…ルクレールとストロールが戒告処分で済んだのはバカげている」と同様の事象があったシャルル・ルクレール(フェラーリ)とともに糾弾した。

「他のドライバーにとって潜在的に危険な行動を取ったのに、ペナルティーが正当化される。それは軽い処罰ではないはずだ」と強調。そして前例からして戒告処分にとどまるのはおかしいと主張する。

「過去には、ドライバーが故意にライバルと衝突したことでペナルティーを受けたことがある。たとえば、セバスチャン・ベッテルとハミルトンの事件では、ベッテルが2017年のバクーで故意に衝突した。この件でベッテルはストップ・アンド・ゴーのペナルティーを受けた」と指摘。ベッテルは事実上順位が大幅に下がるタイムペナルティーの〝厳罰〟が下っただけに、今回とは対照的だ。

「土曜日の決定で、スチュワードは将来のケースに前例を作った。どうやら他のドライバーにぶつかってそのドライバーの車に損傷を与えたり、ドライバーにケガを負わせて、不満を表明することが許可されたようだ。今後、違反者に制裁を科すことは非常に難しい」と今回の大甘処分で今後わざと衝突するケースが増えると危惧した。

今回の件でファン投票も実施し、処分がおかしいとの意見が95%以上を占める結果に。また、ファンからはSNS上でストロールへの批判も高まり「口止め料があるストロール」「パパのお金の力」「もううんざりだ、FIAは処分を軽くする。ストロールがF1にいるのは、彼の父親が常識よりも金を持っているからだ」などとオーナーの父ローレンス氏の威光を笠に着た〝ドラ息子〟への大甘処分が反感を招いてしまっている。

© 株式会社東京スポーツ新聞社