政治資金パーティーのオンライン開催、「見直す必要」と田村氏 “抜け道”の指摘

自民党の田村憲久政調会長代行は23日、フジテレビ系『日曜報道 THE PRIME』(日曜午前7時30分)に出演し、政治家によるオンラインでの研修会や勉強会開催が、政治資金パーティーの規制の抜け道として指摘されている問題で「何らかの対応をしなければいけない」との考えを示した。

田村氏は「オンラインは事業収入になる。抜け道になるようなら何らかの対応をしなければならない。リアルなパーティーをしなくていいし、準備もあまりかからない。一定程度金を集めることができ、透明性がないとすれば見直す必要がある」と述べた。

政治資金パーティーには1回150万円までという上限や、20万円以上の支払いを受けた先の住所や氏名を公表しなければならない規制があるが、田村氏が総務省に確認したところオンライン・パーティーは「その他の事業」にあたるため規制の対象外になる、という。

一方、通常国会で成立した改正政治資金規正法で政策活動費の支出をチェックする第三者機関の設置や、10年後の領収書公開などの制度設計の期限が盛り込まれなかったことについて、日本維新の会の音喜多駿政調会長は「2026年1月1日の法律施行までにやるべきだ」として「次の国会からすぐに協議会を発足するなり各党協議を始めるなりして制度設計を詰めていく。これは必ずやらなければならない」と強調した。

番組コメンテーターの橋下徹氏(弁護士・元大阪府知事)は、調査研究広報滞在費(旧文通費 = 旧文書通信交通滞在費)の今国会(23日会期末)での法改正が見送られたことについて、衆院で法案に賛成した維新が自民党に「だまされた」との立場を取り、参院で反対に転じたことについて苦言を呈した。

橋下氏は「党首会談で馬場伸幸代表は岸田文雄首相に何も確認していない。馬場さんが完全にミスしているのに後から『裏切った、裏切った』というのは裏切ったことにならない」と述べた。

以下、番組での主なやりとり。

安宅晃樹キャスター(フジテレビアナウンサー):
(政治資金規正法)改正前はパーティー券購入者の公開基準は20万円超だった。今回の法改正で公開基準は5万円超に引き下げられた。一見透明性が高まったかに見えるが、抜け道の可能性が指摘されている。例えば回数制限がないため、パーティーを4回開くなど回数を増やしさえすれば、これまでと変わらないではないかとの指摘がある。パーティーの回数制限がなぜ見送られたのか。それからオンライン・パーティーについても(規制の)抜け道との指摘がある。

田村憲久氏(自民党政調会長代行):
もともとは政治に参加する人たちが金を出し、実際に名前を開示されると、他のところからも「うちからもパーティー券を買ってくれ」と言われたり、この人は自民党の誰々を応援しているんだということがわかったりすると政治参加の自由を阻害するのではないかということで20万円までは名前を出さなくてもいいという話だった。今回それが5万円超になった。1枚2万円のパーティーだと2枚で4万円。そういう意味では、回数を多くしないと同じようには政治参加できないという話だが、リアルなパーティーの開催は政治家の方にも大変大きな負担がかかるからそう簡単に今までみたいにはいかないと思う。それからオンライン(開催)は事業収入として入る。抜け道と言われれば、そうなる可能性がある。私も選管にいろいろ確認しているが、もしこれが抜け道になるようであれば、やはり何らかの対応をしなければいけない。

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):
オンラインで研修を受ける人たちから金を募り、政治資金としてそのまま使うと問題になるということか。

田村氏:
(オンラインだと)リアルなパーティーをしなくてもいいので、準備もあまりかからない。一定程度の金を集めることができるという話になるから、そこに透明性がなければ見直す必要がある。

松山キャスター:
政策活動費の見直しの期限が設けられていないとか、1年ごとの上限金額も定まっていないなどまださまざまな課題が残っている。今後どう議論していくべきか。

音喜多駿氏(日本維新の会政調会長):
(改正政治資金規正法に)「検討」が残されたことについて私たちは必ずしも納得していない。ただ、法律施行が2026年1月1日となっているので施行日までにやるべきだ。総理の答弁も最初は慎重だったが、さまざま押し引きする中で最終的には法施行日までに第三者機関(の設置)も政策活動費の制度設計もやることが望ましいという明確な答弁も出たので、そこに向けて次の国会からすぐに協議会を発足するなり各党協議を始めるなりして制度設計を詰めていく。これは必ずやらなければならない。

松山キャスター:
制度設計を詰めていく上でさらに法律の改正は必要か。

音喜多氏:
あり得ると思う。付則に書いてある検討項目を、法律の効力を発揮させるためには本則に格上げしなければならない。施行日までにもう一度法改正をして効力を発揮させることは前例がある。2026年1月1日が一つの期限になるから、そこを目掛けてやっていくことが合意事項だと私は認識している。

橋下徹氏(弁護士・元大阪府知事):
「だまされた、だまされた」と維新はずっと言っているが、誰にだまされたのか。岸田首相か、自民党か、それとも交渉担当者か。

音喜多氏:
岸田さんと交渉担当者だ。

橋下氏:
では、自民党にはだまされてないのか。

音喜多氏:
自民党の中にも心ある対応してくれた人がたくさんいるのはわかっている。旧文通費改革をやるべきだとして、総理をかなりの方が説得してくれたということも聞いている。ただ、その交渉の当事者や総理はその助言を受け入れなかったわけだから、全体としての信頼も毀損(きそん)されている。

橋下氏:
これ、すごく政治的にもめてるところだが、まず1つは、自民党は機関決定をしていない。自民党としては今国会でやるなんて組織としては決めていない。音喜多さんによれば、岸田首相と交渉担当者が裏切ったということだが、では、党首会談で馬場伸幸代表に岸田首相は今国会でやると言ったのか。言っていない。馬場さんも確認してない。

音喜多氏:
党首会談の場ではそういう話があったと私は聞いてない。

橋下氏:
事務レベルで交渉担当者がいろいろ作業を詰めて結局折り合いがつかなければ、トップにあげて、事務レベルでは決着つかなかったからトップで最後決めてくれというのが党首会談だ。そこを馬場さんが完全に確認ミスしているのに、後から「裏切った、裏切った」というのは、それは裏切ったことにならないと思う。公党同士というなら、自民党は機関決定をしていないとなると、岸田さんと馬場さんの合意で、党首会談の時に岸田さんが「わかった。期限は入ってないけれども、これは今国会中にやるんだ」ということを馬場さんと岸田さんの間で合意ができていて、これをもし裏切ったのだったら、裏切りだ。でも、馬場さんは何も確認していない。セレモニー文書を出して、わが維新の考え方を(自民が)丸のみしたと言ったって、これは党首会談になってない。

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