創作劇で沖縄戦の惨禍伝える 美作大・短大県人会、迫真の演技

創作劇で沖縄戦の惨禍を伝える学生たち

 「沖縄慰霊の日」の23日、美作大・短期大学部(津山市北園町)の学生でつくる沖縄県人会は、沖縄戦をテーマにした創作劇「時をこえ」を同大体育館で上演した。命と平和の大切さを市民ら約350人に迫真の演技で訴えた。

 ひめゆり学徒隊として動員された主人公が、当時の経験を孫に語るストーリーで台本も学生が手がけた。身を寄せたガマ(洞窟)で捕虜になるのを恐れ、手りゅう弾で自決した仲間、外に出た瞬間、敵弾に倒れた家族など悲惨な状況を24人が役に入り込んで演じた。

 「当たり前の毎日に感謝して過ごして」という主人公の言葉で締めくくると観客から大きな拍手が送られた。女性看護師(48)=岡山県鏡野町=は「戦争は遠い話と思っていたが、学生の演技を通じて風化させてはいけないと改めて感じた」と話した。

 劇は2013年から行われ、12回目。上演に先立ち、沖縄県で営まれた戦没者追悼式に合わせ、学内で黙とうも実施。正午に県人会の約40人が沖縄のある南西の方角に向かって祈りをささげた。

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