比・マルコス大統領「誰にも支配されない」平和的解決目指す考え 南シナ海での中国による“臨検”問題

中国海警局が南シナ海で領有権を争うフィリピンの船に対し、いわゆる「臨検」を行ったとされる問題を受け、マルコス大統領は「誰にも支配されない」と反発しつつ、平和的な解決を求める考えを示しました。

フィリピンの実効支配の拠点がある南シナ海・アユンギン礁付近では17日、中国海警局がフィリピン軍の補給船に乗り込み、検査を行ったと発表。フィリピン軍の複数の兵士が一時拘束されたほか、船の衝突などで兵士1人が指を切断する重傷を負いました。

マルコス大統領は23日、南シナ海を管轄する軍の司令部を訪れ、「最大限に自制して対応した」と兵士らを称賛しました。

マルコス大統領
「我々は誰にも支配されたり、抑圧されたりすることはない」

一方、中国への直接的な批判は避け、武力に訴えずに平和的な解決を目指す考えを示しました。

マルコス政権は、実効支配の拠点となっている古い軍艦「シエラマドレ号」への補給活動について、今後は事前に予定を公表する方針を明らかにしていて、中国側への配慮をみせることで緊張の緩和につなげる狙いがあるとみられます。

中国外務省 毛寧報道官
「中国はフィリピン側が権益の侵犯や挑発をやめ、国際社会をミスリードしないよう促す」

これに対し、中国外務省の毛寧報道官は24日の会見でこのように述べた上で、アユンギン礁について改めて「中国の領土だ」と主張。「交渉と協議を通じて解決するという正しい道に早く戻るべき」と強調しました。

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